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レーヴァティン
第百二十二話 関西からその九

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「今日のお昼はおうどんですが」
「そちらか」
「讃岐ですので」
 この国にいるからだとだ、紅葉は英雄に微笑んで答えた。
「そちらになります」
「だからだな」
「おうどんはお好きですね」
「俺に嫌いなものがないが」
 それでもとだ、英雄は紅葉にすぐに答えた。
「うどんは好物の一つだ」
「それでは」
「今日の昼はここでだ」
 英雄だけでなく十二人の仲間全員が揃っている、それならというのだ。留守は大坂城で栗橋達に任せていてここには彼等が全員いるのだ。
「うどんだ、何杯も食ってな」
「そうしてですね」
「あらためてな」
 そのうえでというのだ。
「ことを進める」
「わかりました、では」
「飯にする」
 英雄が言ってだ、そのうえで。
 城にいる全ての兵達がうどんを喰い英雄達もだった。それぞれうどんを食った。英雄はそのうどんを食ってすぐにこう言った。
「やはり美味いな」
「確かに」 
 峰夫も食っている、そのうえでの返事だ。
「コシが違うであります」
「風味もいい」
「そしておつゆも」
「大坂のものとは違うが」
 こちらのうどんとは、というのだ。
「しかしな」
「こちらはこちらで」
「美味い」
 こう言うのだった。
「実にな」
「やはりこれだけ美味しいですと」
「何杯もな」
「食えるでありますな」
「全くだ、では実際にだ」
「何杯も食べて」
 うどんをというのだ。
「満足されて」
「それからな」
「また、でありますな」
「動くとしよう」
「一杯ではありませんな」
「一杯ではな」
 到底とだ、英雄は峰夫に答えた。
「足りないな」
「そう言われますと」
「戦をしている」
 今の自分達はというのだ。
「それならな」
「おうどんもでありますな」
「一杯どころかな」
「何杯も食べて」
「そしてだ」
「そのうえで腹を膨らませて」
「また動く、ただ」
 英雄はこうも言った。
「うどんだけでは駄目だな」
「野菜のお浸しもあるっちゃ」
 留美が言ってきた。
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