第二章「クルセイド編」
第十三話「残った謎」
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言うつもりなのだろう。
或いは見知らぬ人の前で涙は見せられないと言う事か...アレ?
そこまで考えて実はフェイトも少しは気を付けてるのだとリオンは気付いた。
(むむむ)
無論リオンの想像だが、それでもちょっと気が引けて、フェイトからリオンは眼を逸らした。
とは言え空元気は見ていて余り気のいい物ではない。自分より7も年下の少女に気を使われるのはリオンとしては何だか癪だった。思えば、フェイトがプレシアの事を引きずっていないわけは無いのだ。見ればやけに前より口調が無理やりな感じが出ている。
アルフはそうでもないようだ。元々プレシアの事が嫌いだと言っていたし不思議な事ではなかった。
「おーい。聞いてるかぁ?」
いきなり手がリオンの視界を覆った。
「な、なにをする!?」
「なにをする、じゃねえよ。話聞いてなかっただろう!」
語気を荒くして、エドワードは少し恨めしそうな顔をしてリオンを見ていた。
「お前らの怪我の事もあるし、とりあえず今日はもう部屋に戻ったらどうだ?って話をしてたんだよ。
特にリオン!お前の今の体で外を出歩かせるとか医者としては絶対に許可できないからな。」
「あ、ああそうか。」
その剣幕にリオンも気圧された。目つきの悪さといい、筋骨隆々とした体といい、どこぞの闘技場チャンピオン並の迫力があった。
もっとも、あの男とは違って知性を感じさせる雰囲気は確かにあったが、そうでなければおちおち寝る事もできない。この男から知性を引かれた生物の医療などリオンは死んでも受けたくないと思った。特に注射とか、打つ場所を間違えそうに見える。
「じゃあそうさせて貰おう。行くぞ、お前達。」
「うん。」
「わかったよ。」
「待てよ、リオン。これ使え。」
そう言って傍らから折りたたみ式の車椅子を取り出した。
「お前ここに来るのだけで拷問受けてるみたいな顔してたからな。て言うか普通の人間ならその状態じゃ歩くどころか、立つだけでものすげぇ痛い筈なんだぞ。歩くとか絶対無理だからな?」
事実だった。さっき二階から食事のためにこの部屋に下りてくるので全身を悪寒のような何かが走っていたのだ。痛い、というよりも足が離れて消えるような感覚だった。
「……わかった。」
そんな物はリオンとしても味わいたくない感覚だったのでありがたくそれを使う事にした。下りでそんな感じだったので上るのはまず無理だろう。なすがままに乗せられ、エドワードに押された。
「大丈夫なのかいコイツ?」
「しばらく安静は必要だぜ?そういう意味では今は大丈夫とは言えねえな。」
「え...」
リオンよりも寧ろフェイトのほうがショックを受けた顔になった。
「『今』は、と言った
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