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異能バトルは日常系のなかで 真伝《the origin》
第一部
第三章 異能訓練
3-4 寿来vs一
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同時に複数の重力を発生させることは出来ないため、この場合回避に使うか相手の動きの制限に使うかなのだが、先程から重力を掛けても寿来はあまり変わらない動きをしていた。
そうなると必然、リーチとパワーで追い詰められる。
寿来の左腕をギリギリで避ける。
しかし無理な体勢からの跳躍が次の瞬間の致命的な隙を生じさせる。
「うおおおおお??」
(避けきれないっ!)
「くっ!」
そして寿来の右の拳が唸りを上げて一にぶち当たった。
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厨二の異能が変わってからも私はアジトの小窓から二人の修行を面白半分で見ていた。
暇つぶしにはちょうどいー。
「うそ! 厨二やるじゃん!」
ボスに接近された瞬間に黒い腕が出てきてボスを退けた。
まぐれとはいえあのボスに一発かますなんてなかなか出来る事じゃない。
そこで偶然、アジトに仲間の戸木柊吾が入ってきた。
「おす。……なんかやってんのか?」
「ちょっと柊吾見てみて! 今ボスとボスの後輩が戦ってんだけど」
「名前呼びやめろや。……後輩っていうーと半年バトルに参加してなかった奴らだったか?」
「そ。その中の一人と訓練してんだけど……ボスを引かせたのよ」
「……へえー、やるな」
柊吾は小窓から眺める。
なぜかいい笑顔になり
「あの野郎は素早さだけは一流だかんな。で、どういう異能だ?」
私は数瞬言葉につまり、
「……分かんない」
とだけ言った。
「は?」
「ボスが言うには私の異能だと、ステージUの異能はまだ見抜けないっぽい」
「……つまりあのガキがステージUってことか?」
柊吾の顔つきが変わる。
改めて柊吾は窓の向こうを見た。
「ステージTの異能は熱くない炎を出すっていう訳わかんない異能だったんだけど……」
「……」
そして数秒後中断していたバトルが再開した。
「……なあ、これって訓練なんだよな?」
「うん」
「あの野郎、結構まじじゃねーか?」
確かにボスの動きは先程よりも格段に速くなっていた。
しかし跳躍の後の僅かな隙に今度はモロに厨二の拳が入った。
ボスの体が吹っ飛び転がる。
「……え? まじで?」
「おいおい、やばくねーか?」
イスから立ち上がって窓の向こうを見つめる。
幸い受け身は取れているが、形勢はかなり不利に見える。
「あの野郎が吹っ飛ぶところなんて初めて見たぞ」
「あたしも」
とそこで
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