発動! MO作戦
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で整備を行って下さい」
「わかりました」
「瑞鶴さん、これでいいですか?」
瑞鶴は何とも言えない表情をしている。自身の意見が通らなかったこともあるだろうが、祥鳳の意見にも一理はあった。
「……もちろんよ。指揮官の決定には従うわ」
「よろしい。それでは今日のところはこれでお開きとしましょう。詳しい行動命令は追って連絡します。作戦決行まで時間がありません。皆さん、出航の準備を怠りなく」
※
「はあぁぁぁ……」
「瑞鶴、元気出して。そんな加賀さんみたいにはうまくいかないわ」
「だって……いつもは赤城さんが立案して、加賀さんがそれに意見してまとまっていくから出る幕がなかったじゃない」
「なるほどね、それで今回張り切ってたというわけね」
皆がめいめいに会議室を出て行く中、会議室を出た瑞鶴と翔鶴に声をかける艦娘がいた。
「あら、妙高さん。お久しぶりです」
「久しぶりね……と言ってもあまり話したことはなかったわね」
他には見ない、藤色に白の襟の制服。首元には赤い飾り紐。足元は艦娘の例に漏れず膝上を大きくとった、海上航行を重視したデザインのタイトスカートだが、そこから覗く白タイツの足は、大人の女性といった感じだ。実際に容姿は瑞鶴たちよりもいくらか年上のように見える。
「あの、よろしくお願いします」
そして、堂々とした頼るれる姉の後ろに、身を縮めて隠れているもう一人。妙高型の四番艦、羽黒。妙高を含め、社交的で明るい姉三人とは正反対におどおどとした性格だが、いざ戦闘となれば実力は姉三人にも劣らない。
「それで? 何か用なの?」
「特に用、ってわけじゃないんだけどね。同じ機動部隊になったわけだし、ご挨拶でも、と思って」
会議での醜態を見られた挙句、その裏事情について聞かれたことで、照れ隠しにつっけんどんな態度をとる瑞鶴とは対照的に、大人の余裕を見せる妙高。精神的な年齢もそうだが、艦暦も瑞鶴よりも圧倒的に長い。
「まあ、それはまた御丁寧に。本来であれば私たちが伺うところなんですが」
瑞鶴に代わって翔鶴が妙高の前に立つ。瑞鶴たちは第五航空戦隊、妙高ら二人は第五戦隊。このくくりを持ったままでこうして機動部隊を組むわけだが、同じ「戦隊」の旗艦が二隻いる場合、機動「部隊」の指揮権は先任の旗艦にあるのが基本である。つまりもともと第四艦隊にいる第五戦隊に指揮権があるわけで、本来挨拶をしなければならないのは五航戦の方なのだ。
「いいのよ、そんなにかしこまらなくても。それに、私たちも挨拶のためだけに来たんじゃないのよ。さ
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