発動! MO作戦
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れでもオーストラリア大陸や、まだ敵のものになっている島の基地からの陸上機の爆撃はどうするのよ。大型機なら届いてもおかしくない」
「これだけの距離を飛べるのは間違いなく水平爆撃しかできない鈍重な大型爆撃機よ。地上爆撃ならともかく、海上の移動目標相手じゃ大した命中率が出ないわ」
航空戦に関しての見識は、いくらベテランの艦娘と言えどもその道のエキスパートである航空母艦には敵わない。なんせ砲撃や雷撃をすべて捨ててそこに特化している艦種なのだから仕方がない。
「そういうことだから、鹿島さん。祥鳳さんをこちらの艦隊に回してもらえるかしら」
当然鹿島も、航空戦に関する知識は薄い。それどころか、今回は深海棲艦側も空母を投入してくることがほぼ確実となっている。仮に出てくれば、これまでどの船も体験したことのない、空母対空母の超遠距離戦が展開される可能性もある。そうなった時の予測など、誰にもつかない。
「ええっと……そう、祥鳳さんはどうですか」
「へ、え。私ですか……ええと」
急に話を振られ、対岸の瑞鶴はじめ、会議室全体から受ける視線に戸惑う祥鳳。着物の襟元をキュッと握りしめる。
「え、ええっと、私としては……やっぱり、輸送艦艦隊についていたいです」
瑞鶴の眉がぴくっと締まる。本人は無意識だが、よく見ていたせいかこうしてポーカーフェイスに徹しているときの仕草は、加賀とよく似ている。
「戦闘機は少ないですが、索敵範囲は相当広くできますし、MIへの偵察や爆撃もできます。瑞鶴さんの言うように、敵艦隊への攻撃に向けた艦載機の運用は難しいかもしれませんが、『輸送部隊付』に徹すれば仕事は十分にこなせます」
「なるほど、つまりMI攻略の補助に徹すれば、瑞鶴さんの言う無駄は消えるということですね」
瑞鶴は黙ったままだ。というのも空母からの地上基地攻撃の有効性を存分に証明しているのは、瑞鶴がつい最近まで所属していた第一航空艦隊である。真珠湾はじめスリランカ空襲やラバウル攻略戦の際に陸用爆弾を用いた空襲は一定の戦果を挙げているのだ。
「敵艦隊の撃滅を優先するなら機動部隊に、MI攻略を優先するなら攻略部隊に、という感じね」
「……で、どうするんですか」
「ぜひ、輸送部隊の方に回してくださいよ」
瑞鶴、夕張が鹿島に迫る。
「そうですね」
考え込んだ鹿島が出した答えは
「……作戦の第一目標はMO攻略です。こちらを優先するために、祥鳳さんは攻略部隊の方に入ってもらいます。作戦開始まではわずかですが、陸用爆弾の積み込みを手配します。それと、祥鳳さんの方でも戦闘機優先
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