第一章
[2]次話
石板の言葉
江戸川愛と与謝野小雪は今は愛の神託で地下世界のブリュッセルに来ていた、この街は港町であり。
愛は今は海を見つつ共にいる小雪に話した。
「いや、やっぱり海はええね」
「そうね」
小雪は愛のその言葉に笑顔で応えた。
「この地下世界でもね」
「海はええわ」
「この街は海辺にあるから」
「それで繁栄してるしな」
「海の幸にお塩が採れて」
「貿易も出来てな」
「水運の要路でもあるし」
こうした条件が揃っていてというのだ。
「豊かね」
「人口も百万以上おるし」
「ええ街ね」
「ほんまにな、ほなこの街で」
是非にとだ、愛は小雪にこうも言った。
「神託を適えような」
「愛ちゃんのそれをね」
「愛ちゃんって言われると」
どうかとだ、愛は少し恥ずかしそうな顔になって小雪に応えた。
「ちょっとな」
「恥ずかしいのね」
「ちゃん付けがな」
これがというのだ。
「どうもな」
「では愛さん」
「それやと少し距離がある感じやし」
これはこれでというのだ。
「それも」
「じゃあどう呼ぼうかしら」
「君付けも何やし名字で呼ばれるとさん付けより距離感じるし」
「難しいところね」
「まあ会ってすぐにちゃん付けやったし」
今思えばそうだったからだとだ、愛は述べた。
「それやったら」
「ちゃん付けね」
「もうそれでええわ」
「じゃあ愛ちゃん」
「それでいこな、小雪ちゃん」
「愛ちゃんもそう呼んでくれるし」
三重の訛りでとだ、小雪は滋賀の訛りで応えた。そうしてだった。
二人で旅の冒険者だと素性を隠したうえで冒険者のギルドに入った、そのうえで愛は小雪と共に自分の神託を探した。
するとだ、愛はある依頼を見て小雪に話した。
「この依頼やな」
「愛ちゃんの神託やねんね」
「そう思ったわ」
感じ取ったというのだ。
「今な」
「ほな」
「この依頼受けるわ」
「そうするんやね、けど」
小雪もその依頼を見た、そうして愛に話した。
「遺跡の発掘の手伝いって」
「ブリュッセル大学の」
依頼主はブリュッセル大学文学部考古学科の調査チームからだ、冒険者達に石板の発掘の際の警護や様々なことを依頼してきているのだ。
「これって」
「ちょっと地味やな」
「そう思うけどな、私も」
愛自身もというのだ。
「どうも」
「これだけ見たら」
「けどな」
「そう感じたから」
だからだというのだ。
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