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とあるの世界で何をするのか
第十三話  多才能力者(マルチスキル)
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少なくとも魔術に関して、土御門さん以外には話さないほうがいいということだ。

「あとは外にあるそういう方面の機関との調整なんかが俺の役目だぜい」

「へー、そうなんですねー。それならウチはどんな仕事を?」

 すでに研究所から子供たちを連れ出すという仕事はしているが、今後どのような仕事が回ってくるのかさっぱり分からないので聞いてみた。ちなみに姫羅の状態では俺の一人称が「ウチ」になるのだが、イントネーションは関西風な“ウ”にアクセントが来るものではなく、中国地方の広島や山口方面の“チ”にアクセントが来る感じの言い方である。

「まー、お前さんの場合は他の暗部組織とそれほど違わない仕事が回されるんじゃないかにゃー?」

 俺は上条さんのように無能力者と認定されているわけではないので、やはり魔術方面に関わらせることが出来ないのだろう。というか、少なくとも土御門さんは関わらせたくないと思っているに違いない。

「それじゃー、この前の仕事みたいなのが多いってことかなー?」

「そうだにゃー、基本的にはそうなると思うぜい」

 どっちにしても魔術関係で大きく動くのは夏休み初日からだから、土御門さんがどうにもならなくなるような事態に陥らない限りは、夏休みまでに俺が魔術方面に関わることはないのだろう。

 アパートの近くまで戻ってきたところで降ろしてもらい、俺はそのままファミレスへと足を向けた。時間的には5時までもうちょっとといったところだろうか、夕食時で混雑する前までには食事を済ませておこうと思ったのである。

 ファミレスに入った瞬間、俺に向けられた気配を感じた……というか、確実に知っている気配が4つそこにあった。とはいえ、俺が騎龍の姿ではないので不審に思っているようだ。しかし、俺はそんなことを気にする様子も見せずに店員に案内された席に着く……が、見事にそこは麦野さんの真後ろだった。

「テメェ、神代騎龍だな?」

 後ろから小声ながら迫力のある麦野さんの声が聞こえてきた。恐らくは滝壺さんの能力で、今の俺と神代騎龍とが同一人物だと気付いているのだろう。

「違うわよ。今はね」

 取り敢えずは振り向いてから否定してみる。まぁ、「今はね」の部分で暗に認めているわけだが……。

「ぷっ、そんな趣味を持った野郎だったなんてにゃーん」

 こちらに振り向くことも無く、何となく小馬鹿にしたような感じで麦野さんがしゃべる。まぁ、俺を怒らせようとしているのだろうが、今は実際に女になっているのだから『そんな趣味』でも何でもないのである。

「あー、そっか。ウチが女装してるように見えるわけね」

「なっ……、まさか、本当は女だとっ!?」

 俺が言い返すと麦野さんは驚いたように振り返った。こちらも後ろを向いている
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