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とあるの世界で何をするのか
第十三話  多才能力者(マルチスキル)
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貰った時のまま姫羅の姿である。そして、それほど待つことも無く車が目の前に止まる。

「またせたかにゃー?」

「んー、そんなには待ってないかな」

 いつもの車でやってきた土御門さんにそう返すと車に乗り込んだ。車はそのまま窓のないビルに向かって走り出す。

「あー、そう言えば、お前さんの柵川中学入学が決まったぜい」

「あっ、ありがとうございます」

「おー、おめでとう」

「ありがとうございます」

 土御門さんから報告を受けお礼を言うと、運転手の人からも祝福の言葉を貰った。そして、会話に一区切りが付いたところで土御門さんが続ける。

「それで……だ。問題は神代姫羅という人物のほうなんだが……」

「問題と言うと?」

「神代騎龍と神代姫羅は同時に学校に通えないということだにゃー」

「あー、まぁそうですね」

 当然、神代騎龍と神代姫羅は両方とも俺なので、同時に学校に通うことなど出来ないのだ。色んな世界で色んな力を身に付け、ある世界では神様からチート能力まで貰ってはいるが、今現在の時点で分身の術みたいなことは出来ない。

「そこでだにゃー。学園都市での実験によって、男にも女にもなれる身体(からだ)になってしまった、っていう設定にしたらどうかと思ったんだがどうだ?」

 土御門さんから提案されたのは、そんなので良いのかと思うような設定だった。しかし、俺にしてみれば願ったり叶ったりの提案なので、これに乗らないわけにはいかないだろう。

「確かにそのほうが良いかもしれませんねー。双子の設定とかにしておくと、二人を同時に見たことが無いからって怪しまれたりしそうだし……。でも、そんな設定できるんですか?」

「ああ、出来なくはないぜい。身分証もそのままでいけるはずだ」

「そうなんですか。だったらそれでお願いします」

「分かったにゃー、それなら神代姫羅も柵川ということになるが、当然良いよな?」

「はい」

 これで騎龍と姫羅の使い分けがある程度楽になるかもしれない。とか何とか考えている間に車は窓のないビルへ到着していた。

「世話になるにゃー」

「いいわよ。別に」

 なんか、土御門さんと結標さんのこのやり取りは前にも聞いたことがあるような気がするけど……。

「よろしくお願いします」

「ええ」

 俺が挨拶をして軽く頭を下げると、結標さんは普通に対応してくれた。今、俺の姿は姫羅なので、もしかしたら男女で対応が違うのかもしれない、なんて考えている間にビルの中に転移していた。

「さて、用件は何だね?」

 アレイスターの前まで行くと向こうから話しかけられた。

「ちょっと大変なことがありまして……。まぁ、口で説明するより見てもらったほうが
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