爪編:トークルームV
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は他人に気を遣い過ぎるところがあるからな…いっそのことプレゼントではなくお前がオウカの時間に1日付き合うと言うのも良いかもしれんな…いっそのことオウカに聞いてみろ、あいつ本人が欲しいと思っている物なら大丈夫なはずだ」
「うーん、分かった。ありがとう兄さん」
去っていく弟の姿を見て、俺の脳裏に再会した時のテーラの姿が過ぎった。
自分が渡したフェザーの制服、少し傷んだリボン…。
「俺はこんなにも未練がましかったか…?」
少なくとも、シアンとテーラに出会って一緒に暮らすまではこんなことはなかったはずだ。
皇神への復讐と無能力者への憎しみに囚われていた時は弟以外の存在は大して気にかけなかったはずなのにだ…。
俺は自然に街に出て、以前テーラに渡したリボンと同じ物を購入していた。
本当に未練がましくなったな…。
(シアンは焦りを感じた)
(パンテーラとの心の繋がりを感じた)
《再会》
夜の街で気紛れに買い物に出ていた俺は偶然にもテーラと出会してしまった。
「「あ」」
俺は能力を使って逃げようとするテーラを確保して公園のベンチに座らせて自動販売機で購入した紅茶を渡す。
「ほら」
「ど、どうも…」
ベンチに座ってちびちびと紅茶を飲むテーラ。
どうやらシアンや再会のことで気まずいようだ。
「何故そんな遠慮をしているんだ?」
「いえ、流石に家族同然だったあなた方にあのようなことをして平然とはしていられませんが…」
「あれか?あれは俺達の油断が招いたことだ。それにお前達にはお前達のやり方がある。寧ろお前達の頼みを拒んで敵対したんだ。ああなっても仕方ない。」
「…怒っていないのですか?」
「お前達の気持ちは理解出来る。寧ろお前達の気持ちが理解出来るからこそ、良くあそこまで妥協出来たものだと感心しているくらいだ。お前達の理想を否定する気は一切ない。お前達の出した答えもまた正しいと思うからな」
「そう…ですか…」
「大体無能力者から迫害をしてきたんだ。やり返されても文句は言えんだろう。寧ろ新しい奴らを受け入れてやろうとしただけでも充分過ぎる」
「ですが、GVは受け入れてくれませんでした」
「良くも悪くも真っ直ぐだからなあいつは、だからこそあいつは強い。例え裏切られても失っても信じている未来を見据えることが出来ている。あいつの言っていることも正しいのもまた事実だからな」
「そう…ですか…」
俺が自分達の理想を否定しなかったことに安堵してか、テーラの表情が少し緩んだ。
「それからシアンは元気にしている。相変わらず運動関係はポンコツだが」
「そうですか…相変わらずみたいで安心しました。運動音痴ではない
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