爪編:トークルームV
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前のような底抜けのお人好しがいるのは分かるがな」
「ソウさん…」
「俺は…GVのようにはなれん。お前と暮らしている今でも無能力者が憎い…だが…お前のような奴が少しずつ増えていけば…GVの理想が叶う可能性はありそうだ…それでも、俺達が生きているうちに叶う可能性は全くないだろうがな」
「……それでも多分、GVは諦めませんよ?きっと」
「だろうな」
諦めが悪い弟を持つと本当に苦労する…だが、だからこそあいつは強いのだろうな。
(シアンとの心の繋がりを感じた)
(パンテーラとの心の繋がりを感じた)
《GVの怪我》
「オウカ、ただいま」
「お帰りなさい。あっ、GV!その怪我…!」
「ミッション中にちょっとね…でも、大した怪我じゃないよ」
「ですが…」
「僕の第七波動は、ただ電気を放出するだけではなくて、自身の生体電流を活性化させて自然治癒能力を高めることも出来る。だから、これくらいの怪我ならすぐ治るよ」
「すみません…あなたに何かあったらと思うと、私…」
「…大丈夫。僕は必ず、君の元に帰ってくるから」
「………オウカの元にか」
『シアン、御愁傷様』
「あうう…」
(シアンは焦りを感じた)
《人命救助》
居間の棚に、見慣れない表彰盾と表彰状が飾られていた。
どうやら警察からの感謝状のようだが、内容は…人命救助?
「何だこれは?」
「ああ、それですか。通学途中に、踏み切りの中に閉じ込められたお婆さんを見かけたんです。足を不自由にしていたようで…渡りきれずに立ち往生していましたので電車が遠くに迫ってきているのを見て、私…」
「見ず知らずの他人のために飛び出していったのか?お人好しも程々にするんだな?命がいくつあっても足りんぞ?」
「はい。あの時は間一髪でした…ふふ、私もGVやソウさんみたいになれたでしょうか?」
「俺達の影響なのか…?あまり無茶はするな。お前にもしものことがあればGVが悲しむ。もっとお前は自分の命を大切にしろ…お前の命はお前が思っている以上に大切に想われているんだ」
「……はい」
オウカは何故か嬉しそうに笑った。
「説教をしているのに何故笑う?」
「いえ、自分を想ってくれる人がいるのって…こんなにも嬉しいことなんですね…」
その言葉にオウカの身分を思い出した俺は次の言葉を言おうとした口を閉ざす。
「……そうか、なら尚のこと自分の命は大切にしろ…GVを悲しませるんじゃない」
「はい…」
(シアンは焦りを感じた)
《たまには料理したい》
「あら、今日はGVが夕食を作って下さるんですか?」
「たまにはね?オウカは座っ
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