暁 〜小説投稿サイト〜
蒼と紅の雷霆
爪編:トークルームV
[2/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
い表情を浮かべるくらい兄さんの中で、兄さんも気付いていないうちにテーラの存在がとても大きくなっているのが分かる。

「………」

隠れ家で過ごしていた時はとても近かったのに、今ではエデンの巫女と言う、自分達から程遠い存在となってしまった。

以前のように、穏やかに過ごせる日が来ることを願いたい…。

(シアンとの心の繋がりを感じた)

(パンテーラとの心の繋がりを感じた)


《ドレス》


オウカがドレスのような衣装を繕っていた。

そういえば、学校で演劇をやるって言ってたっけ…これ、かなり本格的だな…。

「GV、この衣装のことなんですけど…少し協力してもらえませんか?裾の長さがこれで合ってるか不安なんです。実は、着る方がちょうどGVとソウさんくらいの背丈で…」

「まさか、これを着ろって…?」

「いえいえ、そこまでは言いませんよ。体の上から衣装を重ねて、長さを確認するだけですから…ソウさんに頼んだら何故か睨まれてしまいました」

「だろうね…まあ、それくらいなら…」

「ありがとうございます。では失礼して」

僕の体にドレスが重ねられ、オウカが裾の長さを確認する。

「丁度良さそうですね。ご協力ありがとうございます。ふふ、結構似合ってましたよ?」

「似合ってなくていいよ…」

「でも、ソウさん。シアンさんと同じくらい色白ですから、ドレスを着てお化粧をしたらとても綺麗になると思うんですよね」

「それ…兄さんに言わない方が良いよ…?」

流石にオウカに対してはそこまでキツくはないだろうけど、やっぱり兄さんは怒らせない方が良いだろう。

これは兄さんに黙っておこう…。

(シアンは焦りを感じた)


《迷い猫》


「ソウさん、お庭に何かいるんですか?」

「野良猫が迷いこんだみたいだ。追い払おうとしたんだが、怪我をしているみたいでな。治療しようにも野生だけあって警戒心が強いのか、近付くと逃げてしまう」

「ソウさんは救急箱を持ってきてくれませんか?ここは私に任せて下さい」

「了解した」

救急箱を取って戻ってくると、既にオウカの腕には猫が抱かれていた。

「な…どういうことだ?」

あれだけ警戒していたと言うのに何故…?

「敵意がないことを示せば動物でも人間でも心を開いてくれるんですよ」

「………敵意がないことを示しても心を開かない存在などいくらでもいる。敵意がないことを示しても…受け入れようとしても向こうが頑なに拒絶するような相手ではどうしようもない…俺はそんな奴らを大勢見てきた…現にテーラ達も最初からあのような考えに至ったわけではないはずだ…何度も拒絶され、奪われたことで無能力者を憎むようになった…まあ…今はお
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ