IF 完全平和ルート
偽装結婚シリーズ
偽装結婚最後の話
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聞いていた年長の子供達は将来の結婚生活に夢も希望も持てなくなり、よく分かっていない年少組の子供達もなんか違うと泣き出しました」
「へ、へぇ……。可笑しいな、つーちゃんは“よく分かんないけど、お祖母さまなんかカッコイイ!”って誉めてくれたんだけど」
「敬愛する祖母に対してだけ間違ったフィルターを張っているあの子の反応が変わってるんです。世間一般の反応は前者ですから」
「…………ほら、若い頃の過ちって誰にでもあるじゃん」
「――……殴っても良いですか、柱間様?」
「ごめんなさい、ヒルゼン君。私が悪かったです。だからその拳を下ろして下さい」
深々と頭を下げたその人に、青年は握り拳を下ろす。そうしてそれまで手をつけていなかった湯のみへと手を伸ばした。
「――まあ、火影様に悪気はなかったって事は分かっていますよ。どうせ貴方のことだから、綱手に可愛くせがまれてデレデレと教えてやったんでしょ?」
「……凄いな、ヒルゼン君。実は超能力者か?」
新茶の香りに口元を綻ばせ、そっと口に含む。口ではなんと言っても、なんだかんだでこの人を敬愛している青年としては、久方ぶりに尊敬する人物との世間話をする事が出来て嬉しそうだった。
しかし、彼の上機嫌な気分に水を差す様に無感情な声音が刺々しく響いた。
「――――貴様、人の屋敷で何をしている」
「――……ごふっ!!」
「あ。お帰り、マダラ」
茶を吹いた青年とは対照的にその気配に勘付いていたのか、その人はさしたる動揺を見せる事無く笑顔を見せた。
「それにしても早かったな。暫くは帰って来ないんじゃなかったのか?」
「……気が変わった」
「あっそ。相変わらずだな」
「それで……? 貴様はいつまで人の屋敷に居座るつもりだ?」
ギロリ、と赤い写輪眼で睨みつけて来る男に威圧されて、青年が慌ただしく立ち上がる。
「じゃあ柱間様、自分はここで!」
「はいはい。また暇ができたら遊びにおいで」
にこにこと青年の後ろ姿を見送っていたその人は青年の姿が見えなくなってから、呆れた様な表情を浮かべながら背後の男の方を振り返った。
「何の話をしていた?」
「んー、ちょっと私の可愛いつーちゃんの武勇伝を一つばかり、かな?」
「アレの話か……」
夕焼け色に染まりつつある空に面した縁側に、腰を下ろして呆れた様に鼻を鳴らした男の隣に、白木の柱を挟む形で座り込んだその人が頭を傾げる。
何処となく不機嫌……というよりも不愉快そうな男の横顔に視線を這わせれば、苛立った様に眉根が顰められた。
「オレが……」
「ん?」
「……お前に対して結婚を申し込んでいないと言ったら、信じられないと罵られた」
「は、ははっははは! そりゃそうだな!
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