蒼紅:第二十八話 人形
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エデンに激震が走った。
某国にあるエデンの拠点要塞“ベラデン”。
祭壇では、多くの同志に見守られながら巫女であるパンテーラが祈りを捧げていたのだが、あの常に不真面目な態度が目立っていたとは言え、能力込みの実力ではG7上位のテセオが満身創痍の状態で帰還したからだ。
「っ…テセオさん、ただいま帰還しましたー…つっ…て…」
そのままうつ伏せに倒れ伏したテセオにパンテーラが駆け寄る。
「テセオ、大丈夫ですか?」
「ははww兄貴ならともかく弟なら楽勝と思ってバトってみたら兄弟揃って化け物っスね…後少しでもデータの抜き取り遅れてたらヤバかったかも…でも、命賭けただけあって…必要なデータは全て抜き取ってきたっスよ…」
「そうですか、ありがとうございますテセオ。しばらく休んでいて下さい」
「お言葉に甘えますー…つってー…www」
それだけ言うとテセオは気絶してしまった。
パンテーラが近くのポーン兵にテセオを医務室に運ぶように言い渡すと、動揺するポーン兵達に言い放つ。
「皆さん、狼狽えないで。確かにG7は2人倒れ、テセオも重傷を負いましたが、全てはG7も同意のこと…彼らの遺したミラーピース。今は敵の手に渡りながらも、様々な第七波動との融合経験と実戦運用を重ね、順調に普遍化(ノーマライズ)を進めています。間もなくすれば、私の祈りと計画は完成するでしょう。今はただ、理想に殉じ、この世を去った同志に愛の祈りを捧げましょう」
そして、ベラデンは静寂に包まれる。
「(残るG7で何とか彼らを止められれば良いのですが………出来ることなら…彼らにも分かって欲しい…そして、もう一度……)」
隠れ家での彼らの暮らしが脳裏を過ぎってパンテーラは一筋の涙を流す。
それに気付いた者は殆どいなかった。
「(同志パンテーラ…)」
「(やはり同志パンテーラは今でも奴らを想っておられるのか…)」
一部のポーン兵達がパンテーラの悲しみを察知し、彼女のことも含めて祈りを捧げた。
一方で、停止していた廃棄処理施設に辿り着いていたソウは一気に駆け抜ける。
『見た感じ大分ボロボロだけど、本当にこんな所で?』
モルフォが不思議そうに呟くものの、ソウは施設に向かいながら口を開く。
「それは今に分かることだ」
施設に入った瞬間、廃棄されたメカが動き出した。
『ロボットが動いたよお兄さん!?』
「先程、糸のような物が見えた。恐らくは第七波動によるエネルギーの糸でこの施設と機械を動かしているようだ…ニケーと言い、エデンには相当な練度を持った能力者がいるようだな」
だからと言って退く理由はないので刀で両断していく。
奥にベルトコンベアが流れる広い場所に出た。
『廃棄
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