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異能バトルは日常系のなかで 真伝《the origin》
第一部
第三章 異能訓練
3-3 安藤寿来の異能
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加え、こちらの動きを崩すように重力を掛けられる。
手が届くことは無かった。
おれの異能は使い所がないため、反撃の希望のありそうな近接戦にしてもらった上にこの無様。
唯一可能性のありそうなカウンター狙いも読まれ、なす術なく倒れる。
痛み以上に屈辱と自分の不甲斐なさがただただ腹立たしかった。

これではみんなを守るどころか……

「ただの役立たずじゃねえか」

拳が壊れるくらいの力でアスファルトを殴った。


それを見て一さんは

「まず根本的な話から始めるが、そもそも異能ってのはなんなんだろうな?」

「灯代から聞いたんだけどよ。お前の異能、暴走したんだってな?」

「……」
知らず歯を噛み締める。

「自分の炎をコントロール出来なくて腕が燃えてあわや自滅する直前、女の子に腕切らせて助けてもらって難を逃れた。何に使えるか分からない上に勝手に自滅しちまう出来損ないの異能。違うか?」

「……」
おれは何も反論出来なかった。

「率直に聞くけどよ、なんでだと思う?」
「それは……」
分からなかった。異能を手にしてからずっと抱いていた疑問だった。

「異能を使用して日が浅いから? 実践で使うだけの覚悟が足りない? それもあるかもしれねえ。けど違う。現にお前の仲間たちは使い方が拙くても使い道が分からないなんてバカなことにはなってないだろう」


異能は自己の深層心理の欲求やコンプレックスなどに関する能力が発現する。


そして、お前の異能が暴走するのはお前が異能を危険過ぎると捉えてることに他ならない。

「??」

「だが捉え方なんて時間や経験と共に変わっていくもんだ。包丁は凶器にもなるが、暖かい家庭料理を作るのに必要なもんでもある」

驚きと共に自然と右手に目が行く。

「お前にとって異能とはなにか? なんのために使う?」

おれにとって異能とは?
なんのために使うか?

「来いよ、ギルティア・シン・呪雷」

お前の異能(ねがい)を見せてくれ。


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「ヘッドハンティング。あいつを見てみろ」

二人の戦いにまるで興味が無いので、隣の部屋のアジト(この部屋もまたコンクリート空間と同じく柳という仲間が作った)でSNS警備をしていた私に声がかかった。
私は窓越しに返事をする。

「いや見ろっつったってあいつの能力ショボいの分かってんじゃん」
と言いながらもボスである一の指示に従うと

「なにあれ……」

厨二を見ると火柱の様な巨大な黒い焔が手から燃え盛って
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