二十八 狙い
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のが目的だ。
要するに、カブトを木ノ葉の里へ連れ帰り、大蛇丸及びサスケとサクラの情報を聞き出す事がヤマトとナルの任務内容である。実際のところサスケは大蛇丸の許へスパイしている状況なのだが、大蛇丸や、サスケを追って里抜けしたサクラに関しての情報は是非とも入手したい。
よって、大蛇丸が現在矢を放ってきた森方向へ向かった今がチャンスに他ならない。
大蛇丸がいない今を狙って動いた左近と鬼童丸の判断は正しい。
伊達に音の五人衆と言われただけあるな、とシカマルは術を発動させながら、二人をチラリと見やった。
「どうやら本物のサソリは此処にきそうにもありませんね」
シカマルの【影真似の術】とヤマトの木遁で身動きとれなくなったカブト。
それでも余裕の表情は崩さず、彼はいっそにこやかな笑みを浮かべて、ナル達に話しかける。
「今日、此処に僕が来ることはサソリしか知らないはず────なのに君達が来るとは想定外だよ。特に、」
ナル・シカマル・ヤマト、そして鬼童丸と左近の顔を、カブトは順番に見渡す。温厚な笑みを浮かべているものの、その視線は怪訝なものだった。
「死んだとばかり思っていた音の五人衆まで出てくるなんてね」
カブトの視線が、左近と鬼童丸へ向く。緊迫した状況だというのに寝ているらしい右近をじろりと見やって、カブトは口許を歪めた。
気まずげに眼を逸らした左近と鬼童丸を暫し観察するようにじっと見ていたカブトは、やがてナルへと顔を向けた。
「サソリが拷問等で自白するとは考えにくい────となると、自ら情報を漏らしたか、或いは大蛇丸様の許にいる誰かが今日この橋へ僕が向かう事を木ノ葉に漏らしたか」
カブトの後者の言葉に、シカマルは表向き平常心を保っていたが、内心狼狽えた。
大蛇丸の許でスパイしているサスケのことを勘づかれたかと、一瞬焦る。
「まぁ、それはないか…。『暁』の他メンバーですら知らない情報だ」
ふっ、と苦笑を口許に湛えると、カブトは視線をナルからシカマルへと移動させる。
サスケのことで動揺したことを微塵も顔に出さず、シカマルはカブトを睨み返した。
「おそらくサソリの狙いは、僕から大蛇丸様の情報を引き出し、大蛇丸様を木ノ葉に処理させようという魂胆だろう────あのヒトらしい」
以前、サソリの許にいた過去を回想でもしているのだろうか。
どこか懐かしむように、カブトは眼鏡の奥で眼を細めた。
「サソリは大蛇丸様を恨み、自ら手を下したいと常々話していた。その野望を曲げてまで、君達を送り込んだということは…」
聊か信じ難い面立ちでカブトは淡々と己の憶測を語る。
「囚われの身か…はたまた、既に亡き者となっているか…」
思案顔のカブトを真っ直
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