第四十三話「天央祭・W」
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の霊力で補強された弾丸はまるで一つ一つが意志を持ったよう曲り、ジェシカの部下やバンダースナッチを落としていく。一方の折紙もホワイト・リコリスの火力を生かし攻撃を加えていく。その勢いは凄まじくあっという間にジェシカが連れてきた戦力の半分を無力化していた。
「非常事態ダ!応援を求ム!」
溜まらずジェシカは応援を求めるが通信先から聞こえてきた言葉は死に難いものだった。
『…えー、現在この回線は使われておりません。日下部燎子は上官の命令によって現場にすら出向けていませんのでもう一度お確かめの上発信してください」
「ふざけるナ!非常事態だゾ!」
周りの言葉にジェシカは怒鳴る。しかし、帰って来た言葉は相も変わらなかった。
『この回線は現在使われておりませーん。…あんまりしつこいと、切りますよ?』
「っ!」
燎子の言葉にこれ以上は無意味と判断しジェシカは通信を切る。それと同時に折紙を恨めしそうに睨みつける。
「くっ、覚えていなさい!この件は必ず問題にさせてもらうからネ」
「…それは、生きていたらの場合だよね?」
瞬間、ジェシカの後頭部を何者かが掴む。ジェシカは慌てて随意領域を発生させようとするが瞬間掴んだ者、彼女によってジェシカのCR-ユニットは破壊される。上空にいるための機器を失ったジェシカは重力に従い落ちるが彼女に後頭部を掴まれている為頭に全体重がかかれど落ちる事は無かった。
「くっ!おのレ!」
「喚くなよ。あまり喚くと手を離しちゃうかもしれないよ?私は別にいいけど」
「っ!」
彼女の言葉にジェシカは大人しくなる。今、ジェシカの命は彼女が握っているに等しく暴れれば自分はこのまま手を離され地面に落ちる事は間違いなかった。
そして、隊長を抑えられた部下たちは見てわかるほどに狼狽し折紙の操るホワイト・リコリスの餌食となっていき十分ほどでジェシカを除き全てが無力化された。ジェシカが請け負った任務は今ASTの裏切り者と最悪の精霊の手によって完全なる失敗と言う形で終わりを告げるのであった。
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