第四十一話「天央祭・U」
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天央祭って高校生の文化祭だろ?それなのに結構レベルが高いんだな」
「まあ、天宮市スクエアを使っての盛大な催しだからな。半端には出来ないのだろう」
彼女のその声に驚きその場に立ち止まる。その声を彼女は知っていた。
遠い記憶、彼女が精霊になる前の記憶。十代前半の二人の兄弟に手をさし伸ばす自分。
彼女は思わず振り返る。しかし、そこには声の主はおらず様々な人の姿しかなかった。
「…気のせい、な訳ないか」
彼女は周辺を歩き回るが結局声の主を見つける事は出来なかった。
「兄ちゃん。いいのか?一応今日の夜決行だろ?こうしてダラダラ文化祭に来て」
「勿論さ。全ての準備は整い後はその時が来るのを待つだけだ」
彼女が探していた人物、ヴァレンタイン兄弟は外にある休憩スペースにいた。ルークは屋台で買ったコーヒーを、ヤンはたこ焼きや焼きそばなどの料理を食べていた。
「既に駒は例の場所に移送しており内通者にも連絡は言ってある」
「しっかし、上の連中も思い切った事をするようになったよなー。ちょっと前なら考えられなかったよなー」
「それだけ或美島の一件を重く見ていると言う事だ。それに、我々は準備に準備を重ねてきた。半世紀以上の時をかけてなこれ以上の準備は無意味、若しくは必要ないと言う事だろう」
「そうかねー。まあ、俺はたくさん殺せればそれでいいけどよー」
ヤンの言葉にルークは何も言わなかったが呆れたようで目じりを抑える。長い付き合いの弟の何時もの考えにルークはあまり賛同的ではなかった。それでも戦闘では無類の強さを誇るヤンに特に注意をする必要もないと考えているのだった。
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