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異能バトルは日常系のなかで 真伝《the origin》
第一部
第三章 異能訓練
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、これだけの空間を数分で作ってしまう彼女の異能には毎回驚かされる。
しかしなぜ現実的に戦いになりそうな場所ではなく道場なのかは分からない。
準備が整い道場へ向かうと、既に彩弓さんが正座して待っていた。
「お待たせしました」
「構いません」
心なしかいつもより彩弓さんと距離があるように感じる。
「私の判断で訓練場所を道場にしました。実戦を考えれば前回の工場跡や人通りの少ない夜道などが相応しいのでしょうが、私にとって馴染み深いのと、初めての訓練ということで不確定要素の少ないこちらにしました」
思えば彩弓さんとはよく一緒にいるとはいえ一対一で話す機会は少なかった。
だからか今は彩弓さんの感情が掴めない。
「……はい、分かりました」
「また同じく初の訓練ということで武器はお互い使用しないこととします。異能は存分に使って下さい」
もうすぐ始まるだろうという所で私はちらとゲートの方を見た。そこに安藤の姿は見当たらなかった。
「安藤くんのことが気になりますか?」
私は正直に頷いた。
あの兄さんとはいえ異能バトルに関してはこちらよりも遥かに知っているようだ。
助けてくれているのだし酷いことはしないとは思うけれど……。
「桐生さんが指摘したように私達の案では、確かに安藤くんの訓練に関して効果的とは言いきれません。そもそも安藤くんの異能は不明な点が多く、どう活かせばいいか分かりませんし……」
とすればやはり……。
「桐生さんには考えがあるようでしたので任せるのが最善でしょう」
あの笑顔には嫌な想像させられたけど、気にしてもしょうがない。
(後は男なんだから自分で乗り切りなさいよね、安藤!)
私はようやく自分のことに意識を切り替えて前を見た。
それを見て、彩弓さんは納得したように頷くと、構えた。
なんの構えかは分からない。
ただ構えただけなのに何か完成した型のような気がしてわずかに気後れした。
「では」
そして人が全速力で突っ込んできた。
「??」
「訓練を始めます」
気迫を感じた瞬間に自分が今までどう動くか何も考えていなかったことに気付く。
(異能を使って……どうすれば……??)
そうこうしてる内に彩弓さんは手の届く距離まで近づくと、更に加速した。
「ぶっ?? うっ??」
右手で鼻に掌底を受け、手で見えない一瞬、逆の手で腹に拳が入った。
ただの掌底、ただのパンチ。
それが呼吸を脅かすほどに痛い。
苦痛に呻いたほんの数秒の間に流れるようにねじ伏せられ固められていた。
「ここまでですね」
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