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異能バトルは日常系のなかで 真伝《the origin》
第一部
第三章 異能訓練
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るかと思ったが……思いのほかいい面つきだな。聞くが、お前らはこれからどうする?」
一さんは問いを投げた。
そのいわば覚悟を試す質問におれは
「おれたちは望んでこのバトルに参加した訳ではありません。戦いたいわけでも、願いを叶えたいわけでもない。ただ今の普通の日々を、みんなを守りたい。守るために戦う」
それがおれ達の答えです。
文芸部の残り四人もその答えに首肯した。
それぞれの顔には前を向く意志が感じられた。
その光景を見て一さんと斎藤先輩は
「甘いっちゃー甘いが……いい答えじゃねえか? こいつららしくて」
「そうね、いいと思う」
満足気に頷いた。
「そしたら次だが、答えを教えてばかりでは成長しないからな。問題だ。お前たちは次になにをすべきだと考える?」
五人はしばし黙考した後、彩弓さんが始めに発言した。
「やはり敵の襲撃に備え、緊急時の連絡手段の確立でしょうか。一人での戦闘の危険性を前回の戦いで知りましたし、逆に複数の戦闘ならこちらにも分があると考えます」
「まあ当然だな。普通は担当精霊同士で事前に日時や場所を決めてやるもんだが、お前らのとこにはなぜか居ないからな。連絡手段や対応を共有しておけばいざという時迅速だ。マストだと言える。他には?」
あとやれることは……
「戦いでどう相手を戦闘不能にするかですかね? 気絶させるにしてもおれ達だと鳩子みたいに極端に殺傷力の高い異能か、彩弓さんのように攻撃的でない異能かしかないから」
「殺さずに勝つには相手を気絶させるか、戦闘不能と委員会が判定した場合の二択だよ」
「しかも殺して勝つよりよっぽど難しい、難儀な話だがな」
それ以降提案は出なかった。
灯代は悩みつつも話に付いてきてるみたいだが、鳩子はウンウン唸り、千冬ちゃんは船を漕ぎそうになるのを必死に我慢している状態。
いや、必死ではないか。
そんなところか。と一さんは話のまとめに入る。
「連絡手段の確立と殺さずに勝つ戦法を見出す。二人はなかなか頭がキレるな。前者は千冬がいるしスマホとワープを上手く使えば解決するだろう。問題は後者だが、その前に一つ失念していることがある。」
一さんは人差し指を伸ばし、問いかけた。
「寿来、この前の戦いで敵を殴ることは出来たか?」
なにをバカなことを以前の自分なら言っていただろうが、今は違った。自分の苦い経験が想起する。
「……一度も当たりませんでした」
「!」
その事実に文芸部女子一同は言葉が出なかった。
「別に寿来が運動音痴ってわけじゃないぜ? ボクシング経験者と相手も悪かったしな。素人だったらこ
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