第二章
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「明日またな」
「ここに来てか」
「神託を探そうか」
「そうするか」
「ああ、それかな」
彼はコーヒーを飲みつつこうも言った。
「副宰相に聞くか」
「太宰君に」
「そうするか」
こうも言うのだった。
「そうするか」
「それもええか」
坪内は飲みつつ応えた、飲んでいるのは先程言っていたコーヒーではなく紅茶だ。やはり気分が変わっていたのだ。
「今は」
「そうやろ、ほなな」
「今から貝殻で話を聞くか」
「そうしよか」
こうして太宰に話を聞こうかと思った時にだった。
不意にギルドが騒がしくなった、そして市役所の役人が飛び込んできてだった。ギルドに思わぬ依頼が届いた。
その依頼を即座に受けることにして田山は坪内に言った。
「まさか街の傍を流れる川の岸辺に刀があるとかな」
「それ中国の伍子胥の剣の話と一緒やで」
「それでその剣を手にすると呪われるか」
「そうなる、それでや」
「今回の話もか」
「その話思い出したわ」
坪内は依頼を受けた田山に話した、勿論彼も田山と同行してその依頼を受けている。
「ほんまに」
「そうか、そして抜いてな」
「周りにおる人を片っ端から切って今は何処かに行った」
「人のいるところに行く前に」
「何とかせんとあかんな」
「ああ、ここは」
絶対にとだ、田山は応えてだった。そのうえで。
彼は坪内と共に川の岸辺に落ちていた妖刀、目撃者の話では言い伝えにある人斬り剣士が持っていた妖刀の伝え聞く姿に間違いないというそれを手にして周りにいる人を手当たり次第に斬って狂った目で立ち去ったエルフの少年を追うことにした。少年の名はギゼフ=コチューシコといった。
少年はスサから見て真北に去っていった、それで二人も北に向かったがその道中次から次にだった。
モンスターや獣達が出て来た、それで田山は坪内と共に彼等を倒しつつ少年を追っていったがならず者は出なかった。それは何故かというと。
田山は一刀の下に切り捨てられ血の海の中でこと切れている盗賊達を見て坪内に話した。
「またか」
「今日でこうした連中見るの六度目やな」
「出会った盗賊やら追剥やら片っ端から殺してるな」
「それも見事な剣技で」
どの者も全て一太刀だ、首を刎ねられている者もいれば真っ二つにされた者もいる。とかく見事な剣技だった。
その剣技を見てだった、坪内も言った。
「妖刀の仕業やな」
「持ったエルフの子は只の高校生やったらしいな」
「学者志望のな」
「刀を持ったこともないっていう」
「そんな子がこんな剣技備えてるか」
「絶対にないわ」
田山は言い切った。
「それこそな」
「そう考えると」
まさにというのだ。
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