暁 〜小説投稿サイト〜
蒼と紅の雷霆
蒼紅:第二十六話 天塔
[1/6]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
ソウは因縁の場所でもある軌道エレベーター・アメノサカホコに足を運んでいた。

「(ここで俺達はアシモフと戦い、倒し…完全に……とはいかないが、フェザーとの繋がりのほとんどを失うことになった場所…)」

脳裏に共に戦ったフェザーの仲間達の姿が過ぎる。

アシモフを殺したことでもうチームを組んでいたあの2人とは会えないだろう。

あの2人も本性を知らないとは言えアシモフを慕っていたのだから。

「ふん、あんなレトロゲームマニアの馬鹿やアシモフ関連でおかしくなる女でも完全に繋がりが切れたとなると意外に寂しいものだな…」

ダッシュで建物内部に侵入すると、エデンの兵士からの迎撃を受ける。

「貴様は紅き雷霆・ソウか!同志パンテーラの寵愛を拒み、我らが女神ニケーに近づく悪党め!ここから先には通さんぞ!」

「………エデンの兵士…か…あいつは部下にまで想われていたか…なら余計に手放せない…か…」

ここにいるのは恐らく下級兵なのだろうが、こういう者達にも慕われているのなら、パンテーラが手放せないのも理解出来る。

「悪いが退いてもらうぞ!!」

距離を詰め、雷撃刃による斬?で返り討ちにすると、ソウは辺り一面に張り巡らされている糸を見遣る。

「これは何だ?導線ではないようだが…?」

『恐らく髪の毛だよ。エデンには髪の毛を操る能力者がいるんだ。』

『髪の毛を操る能力…GV達に比べれば地味な能力ね』

『うん、髪の毛ならお兄さん達の雷撃で簡単に燃やせそう』

「いや、肉体の一部を自在に操れる能力と言うのは案外馬鹿に出来んぞ。髪なら切れてもすぐに元に戻せるからな…」

シャッターを潜ると、広い場所に出たのだが、髪の毛の足場が至るところに出来ている。

『わっ、凄い…髪の毛が…』

『どう、シアン、モルフォ?これが地味に見える?』

『髪の毛を操る能力…地味は撤回するわ』

「とにかく、髪の毛の足場を利用して先に進むしかないな…」

足場を利用し、接近してくる敵をショットや雷撃刃を使い分けて迎撃しながら先に進んでいく。

『そうだ、ソウ。近くに耐久性の低い足場があるんだ。あまり長時間は乗れないから気をつけて』

『お兄さん、ダイエットだよダイエット』

『ソウもGVも細身に見えるけど結構筋肉あるものね』

「…雷撃鱗のホバリングとマッハダッシュを使えば無理なダイエットなど必要ない…装備はシャオに頼んで軽量化をしてもら…いや、そういう問題じゃない」

『…ソウって、生真面目そうに見えて天然なところあるよね』

シアンの冗談に真面目に返そうとするソウにシャオは苦笑を浮かべた。

「それにしてもこれだけの髪の毛を足場代わりに展開するとは…余程強力な使い手のようだ。」
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ