第7章:神界大戦
第220話「たった一人の抵抗」
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り返しの二撃目を脇腹に掠らせつつ、優輝は葵を巻き込んで瞬間移動する。
直後、移動先で葵による首を狙った一撃を防いだ。
「(ダメだ。躱しきれない……!)」
躱しても、移動しても、次々と攻撃が迫る。
それを見て、躱しきれないと優輝は確信した。
「巻き添えは、させない……!」
司や奏、とこよにサーラなど複数人が一斉に斬りかかる。
同時に、はやてやディアーチェなど、後方支援による砲撃も放たれた。
さすがにこれほどの人数を瞬間移動で巻き添えから避難させる事は出来ず、同時に全ての攻撃を凌ぎ切る余裕も優輝にはない。
……そのため、優輝は真っ先に“選択”した。
「凌げ、“霊魔螺旋壁”!!」
肉薄してきた者達ごと、優輝は障壁で守った。
“受け止めるため”ではなく、“受け流すため”の障壁は、確かに攻撃を防いだ。
「ご、ぁ……ぐ……!」
だが、当然のように障壁の内側にいた者の攻撃は防げない。
元より、優輝は肉薄してきた葵達を死なせないために、こうしたのだから。
必然的に、守った代わりに優輝は彼女たちの攻撃を受け止める事となった。
レイピアが、槍が、刃が、刀が、剣が、優輝の体を貫き、切り裂いた。
「ッッ……!」
攻撃を凌いだ直後を狙っていたのか、緋雪が転移と同時に斬りかかってくる。
優輝は、それを片腕を犠牲に受け止める。
同時に、遠方から飛んできた椿の矢が足を貫く。
「(肩、腹、心臓、腕……足もか。……はは、頭以外無事じゃないな)」
朦朧とした意識の中、優輝は自分の状況を軽く分析する。
片腕、片足は斬り飛ばされ、致命傷もいくつか負っている。
思考のために頭だけは攻撃を受けないように避けたが、本来なら即死の傷だった。
「条……件、完…了………!」
絞り出すように優輝はそう言った。
直後、出ていた血が魔法陣を描く。
魔力と霊力が迸り、その圧力が優輝以外の全員を拘束する。
「(致命傷を“代償”とし、力を引き出す……!)」
優輝がここまで致命傷を負っておきながら回復しないのには理由があった。
それは、致命傷を力を引き出すための“代償”とするためだった。
力を得た代わりに代償を背負う。優輝はそれを利用していた。
力と代償を逆説的に反転させ、代償を先に決めて力を引き出す。
神界ならではの無理矢理な手法で、優輝は規格外の力を得ていた。
「(……まだだ……!これじゃあ、足りない……!)」
しかし、代償を利用して引き出した力でも、優輝は足りないと確信した。
「(もっと、もっと魔力と霊力を、純化させないと……!)」
力の純化。それはただ“力”として存在するエ
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