第7章:神界大戦
第220話「たった一人の抵抗」
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この身に余る事を成そうとしたがための反動が、ここで……)」
傲慢だったのかもしれない。
守りたいものを守る。ただそれだけのつもりだったのに。
いつの間にか、その範囲が広くなり過ぎていたのかもしれない。
尤も、実際に追い詰められた理由はイリスが仕組んでいただけに過ぎない。
……それでも、“ツケ”が回って来たのだと、僕は思った。
「(……こんな状況に追い込まれても、皆は……)」
頼って欲しいと、言われた。
無理をしないでほしいと、何度も言われた。
それでも、僕はその通りにしていなかった。
そんな僕が今更頼って、皆は受け入れてくれるだろうか?
……否
「(それでも、僕は皆を信じよう。“可能性”を、諦めないでいよう)」
瞬間移動で、レヴィから間合いを離す。
ディアーチェの攻撃を凌ぎ切ったと同時だから、これで巻き添えは起きない。
出来る限り、皆の包囲が薄い場所に行く。
「(……尤も、この“手段”自体が綱渡り。皆を、そして自分を信じなければ成し得ない事。その上、さらにきつい綱渡りをするんだ。信じなくちゃ、実行も出来ない)」
狙いは一点。先程までと大して変わらない。
“皆を助ける”。それだけだ。……今は。
「(最後に宝具を使わなければ、これすら出来なかった。ありがとうリヒト)」
先程までとの違いは言葉にすれば簡単だ。
“自分の身を顧みない事”。これに限る。
「……来なよ、皆。今まで、少なからず僕に不満や思う所はあっただろう?……いいよ、悉くそれを受け止めてやる」
挑発するように、手招きをする。
瞬間、魔力と霊力が膨れ上がるのを肌で感じた。
そして、皆の魔法や霊術が、解き放たれる。
―――……最期、だからな。
か細く呟いたその声は、その轟音に吹き飛ばされるように、掻き消えて行った。
=out side=
「っ……!」
放たれた攻撃を、優輝は瞬間移動で躱す。
そして、次の一手を打たれる前に優輝は行動を起こした。
だが、それは回避でも防御でも、攻撃の準備でもない。
表情が僅かに動いた程度で、パッと見て何も変化がないように見える。
「あはっ♪」
「ッ……!」
直後、最初の一手が来る。
転移してきた緋雪と、瞬間的な速さを発揮して肉薄した奏の挟撃だ。
「ふっ……!」
「はぁ
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