第7章:神界大戦
第220話「たった一人の抵抗」
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思い出す。
同時に、追いついてきた奏の攻撃を受けきれずに吹き飛ばされてしまった。
「(失念していた……!僕と違い、皆は“格”の昇華がなくなっている……!普通に攻撃を食らい続ければ、死ぬ……!)」
そう。神界にいる以上、ある程度の無理は通るだろう。
だけど、そんなの焼け石に水だ。
このままでは、共倒れで父さんと母さんのように……
「―――――――――」
頭が冷えた。怒りと憎悪が急速に冷える。
一周回って冷静になったのか、単にそれどころじゃなくなっただけか。
そんなのはどうでもいい。
「―――これ以上、喪ってたまるか」
今は、皆を死なせないようにするのが先決だ。
「ッッ!」
体勢を立て直すと同時に、瞬間移動で皆から出来る限り離れる。
「(僕らだけを隔離する。……そこに洗脳を解くチャンスがあると思った。だけど、奴らからすればそれ以上に“死ぬ可能性”の方が高い!それが狙いか!)」
全部、全部仕組まれていた。
皆が洗脳されるまでの一連の流れも。
父さんと母さんを殺されて、感情が蘇る事も。
感情が戻ったために、洗脳された皆を見捨てるのを躊躇うのも。
「(全部、掌の上だった……!)」
多少の想定を上回った所で、軌道修正も簡単だった。
感情が戻っていなければ、結界内で誰かを洗脳下から助け出せていただろう。
だが、同時に誰かを見捨てて死なせていたかもしれない。
そうなれば結果的に僕らの戦力が減っていた。
「(そうだ。僕が見捨てられないと思う事も、組み込まれていた……!)」
なんて、なんて見通しが甘かったのだろうか。
否、それすらも仕組まれていたのだろう。
最初、ソレラと祈梨に遭遇した時点で、こうなる事は決まっていたのだろう。
「(この期に及んで、なんて甘い―――)」
思考する間もなかった。
眼前に再び奏が迫る。
今度は、身体強化に特化させた司も一緒だった。
「(どう転んでも、僕に“傷”を負わせるか……!)」
皆を見捨てる選択を取れば、突破する事は可能かもしれない。
だけど、そうすれば僕は一生後悔する。少なくとも、心に傷を負う。
見捨てない選択を取れば、この状況を打開する事も厳しい。
……どちらにしても、僕が絶望するには好都合って訳だ。
「ふざけ……!」
「ッ!」
斬りかかってくる奏と司の攻撃を逸らす。
本来なら、もっと切り結ぶ事も可能だが、急いで二人を吹き飛ばす。
同時に、その反動で上体を逸らし……矢と魔
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