第7章:神界大戦
第220話「たった一人の抵抗」
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=優輝side=
「ぉおおおおおおおおおおおおっ!!」
雄叫びを上げながら、僕は駆ける。
体は既にボロボロで、本来なら満身創痍だ。
けど、神々はそれでも容赦せずに、攻撃を繰り出す。
洗脳された皆も同じだ。
驚愕からの立ち直りはすぐだった。
故に、意表を突けるのは僅か一撃か二撃程度。
……それで、まず一人は落とす!
「はぁっ!!」
「ごぁっ!?」
最も近くにいた“天使”に肉薄。
同時に頭を掴んで膝蹴りを腹に叩き込み、胴体と頭を蹴り飛ばして分離させる。
普通なら即死。だけど、神界では話が別だ。これでは倒しきれない。
「堕ちろ」
故に、“意志”を以てさらに叩き潰す。
神界の法則は、感情がなかった頃にある程度は理解出来た。
言霊を使いつつ、“力場”を発生させてその“天使”を潰す。
“こうすればこんな事も出来る”と、曖昧な思い込みでもそれは実現できる。
「ッ!」
直後に間髪入れず転移する。
“意志”を以て叩き潰したのはいいが、その時点で攻撃に包囲されていた。
倒しきったかは確認せず、次の行動へ移る。
「(転移魔法を“組み立てる”のも無駄だ!極限まで無駄を省き、最適化しろ!)」
ただの転移魔法では、どれほど構築を早くしてもタイムラグが出来る。
今この場において、そのタイムラグすら致命的だ。
……ならば、それも省くしかない。
「(転移魔法の感覚を覚えているのなら、出来るはず。ここは、そういう場所だ!)」
漫画やアニメによくある“瞬間移動”。
それを感覚だけで実現する。
理論?そんなものはない。あるのは“瞬間移動した”と言う事実だけ。
最早、理屈で考える時はとうに過ぎた。
感情、感覚の赴くまま、行動するのみ……!
「ッッ!!」
「なに……!?」
目の前まで肉薄していた神が、驚愕する。
当然だ。転移の連続を捉えたと思ったら、さらに移動の速度が増したからだ。
「ぉおおおおおおおおおっ!!」
向かうは邪神イリス。
元凶さえ倒せば、大きく状況は変わる。
だけど、そう簡単にさせてはもらえない。
「っ!?」
その瞬間、僕に強い力が働く。
先程“闇”に呑み込もうとした時と同じく、拘束できる“性質”の仕業だろう。
「この程度!」
「弾くでしょうね。でも、一歩遅いです」
「ッ……!」
言葉を放ったのは祈梨。
その隣には見覚えのない神がいた。
男とも女とも見える、陰陽師を連想する服装の神が。
やけに目につくと思えば、その訳はすぐに理解できた。
「(結界……!なるほ
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