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異能バトルは日常系のなかで 真伝《the origin》
第一部
第二章 明かされる真実
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一さん達の異能所持、精霊の存在、そして異能バトルの真実。
そんな衝撃の事実が明かされてから一夜経った。
これだけの事件があっても世界はいつもと変わらず流れ続ける。
「寿来、いつまで寝てんだ遅刻すんぞ!……ってあれ」
眠れなかったわけじゃないが今日は早くに目が覚めた。
「もう起きてるよ、行ってきます」
いつもより余裕を持って学校に向かう。
「……あいつ最近起きるの早くね?」
これからどうすべきか。
頭の中ではそれのことばかり考えていた。
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そして放課後。
通常なら文芸部はその日は休みのはずがおれが部室に入った時にはもう全員揃っていた。
会釈はし合う、がやはりいつもの様な活気はない。
みんなの顔を見るとあまり顔色が優れなかった。
「……昨日の今日だけど、みんなは眠れた?」
「あんましかな。あれだけのことがあったしね」
「眠れなくはないですが、快眠とは言えませんね」
「私は、ぜんぜん寝れなかったよ……」
「千冬も。昨日は新しいまくらが合わなくて……」
「そうだよなぁ」
みんなもおれと同じで眠りが浅かったらしい。特に鳩子は目に隈ができていた。
千冬ちゃんだけちょっと違う気がするが誰もツッコむ気にはなれなかった。
「これからどうする?」
それはみんなが悩んでいることだったが明確な答えを返せる者はこの場にいなかった。
解決策のない問題に無言になるなか、不意に口から本音がこぼれた。
「……ちょっと関係無いけど、実はおれ、異能バトルに憧れてた」
なにを言い出すのかと、目線が集まるもおれは止めなかった。
「異能に目覚めてから最近まで、いつか敵が現れて学校を襲う。それをおれが異能で防いでクラスを救う。そんなことを妄想してた」
しらーっとした目線は今なお続く。
それでも止めない。
「余裕を持って敵を圧倒しておしゃれな決めゼリフ決めてかっこつけようとか考えてた。けど、実際は真逆だ。痛いし苦しいし、決めゼリフどころかいつ死ぬか分からない恐怖で身が竦む。おれの憧れてたバトルはそういうもんだった」
言葉に込められた感情のせいか、みんなが聞くのに真剣になる。
「正直もう、あんな思いはこりごりだ。出来るなら二度と闘いたくない」
頼りにしていた男の闘いたくない宣言に女子陣は同情した。
でもと彼は言葉を続けた。
「みんなとの楽しい毎日を失うのはもっとやだ。おれにとって大事な日常を殺し合いなんかにくれてやるもんか」
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