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異能バトルは日常系のなかで 真伝《the origin》
第一部
第二章 明かされる真実
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人は顔を見合わせた。
彼は続ける。
「みんなの異能は強い。そこら辺のやつなんて目じゃない。おれ達には絆がある。利害だけでチーム組んでるやつに負けるはずがない。いきなり人と殺しあえなんて言われても無理だし、しなくていい。だっておれたちの目的は守る事だ。だから……」
その続きを四人は待った。
「おれはみんなを守るために戦う!」
この場の女子全員が彼を見直した瞬間、
「と思うんだけどみんなはどう?」
と恥ずかしがるようにみんなの様子を伺った。
「……はぁー。せっかくいい所であんたは」
「じゅーくん……」
「アンドー、なぜ」
「一瞬でも見直した自分が浅はかでした」
女子は幻滅を隠さず安藤を責めた。
「そんな言われる所か??」
身に覚えのない罵詈雑言。
しかし灯代が
「でも、いいこと言うわね。日常を守るためか」
すると今度は鳩子が
「わたしもじゅーくんの意見に賛成。じゅーくんやみんなが傷付くのはいやだけど、今の生活を失うのはもっといや」
と自分の意思を言うと、みんながうんうんと同意を示した。
「それにいざ戦うってなった時安藤一人じゃ心許ないしね」
「おい! 灯代!」
「千冬も心配」
「ちょっと! おれは弱くないし! ちょっと異能が特殊で? まだ覚醒からそんな経ってないし? ……えーと」
と言い訳を探してる内にみんなが笑っているのが見えた。
いつものらしいやり取りを久々にした気がする。
笑い声が止むと自然とみんなが判断を求めて部長である彩弓さんに目を向けた。
それを受けて、こほんと咳払いをし
「確かに戦うことは怖いです。ですが私も安藤くん一人に任せるのは不安なので……」
ちょっと! とツッコむとクスクスと笑いが聞こえる。
「なので、みなさんで安藤くんを手伝ってあげましょうか」
すると口々に
「しょうがないなあ」
「じゅーくんのお世話してあげよ〜」
「よろこべ。アンドー」
と好きなことを言い始める。
おれは、みんなして全く、と笑いを噛み締めながら
「行こうか、この戦争を終わらせに」
「「「「……」」」」
なっちまったもんはどうしようもねえし逃げ道も無いけど、おれたちには強い異能と絆がある。
このバトルを終わらせおれ達の日常を取り戻すために戦う。
襲撃に遭って以降初めて心から前を向けた気がした。
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