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異能バトルは日常系のなかで 真伝《the origin》
第一部
第二章 明かされる真実
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戦ったのでしょう?
なぜ彼は私に電話をし、会話を聞かせたのでしょう?
(ころしたのか?)
なんのために?
(ひとりで参加してるのか?)
だれのために?
「まさか……」
「うん。安藤君はこのバトルの事を知っていたんじゃないかな。あの場で彼が死んだとしても一般人はともかくプレーヤーは彼を覚えているからね。少なくとも危機的状況を理解し彼の残した情報を元に動くことは出来る。本当に怖いのは何も分からず訳の分からないまま、殺されたり異能で殺してしまったりすること。その時のために彼は命を懸けて情報を残そうとしたんじゃないかな」
「……」
「そして、さっき聞いた彼の自滅の異能。それなら……」
相討ちには出来る、と斎藤さんは言いました。
思えば彼の右腕は体の他の部位に比べ明らかに傷が少なかった……。
「っ……!」
これが殺し合い。これが命のやり取りですか。
自分の想定の甘さにつくづく呆れます。
四人の目を見て、斎藤さんは言います。
「彼の異能は弱いと私は思う。そしてだからこそ彼は仲間思いで勇気があると思う。そんな彼がいたから一くんは今日ここに来たのかもしれない」
それじゃ、私の独り言はこれくらいで。
斎藤先輩はそう言い残し部屋を後にした。
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