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異能バトルは日常系のなかで 真伝《the origin》
第一部
第二章 明かされる真実
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文芸部のメンバーはみな眼を見張った。

「誰です?」
「霧龍・へルドカイザ・ルシ・ファースト。ってこっちじゃ二人しかわかんねーか」
部室の空気を闖入者の独特な雰囲気が支配している。
「桐生一っていうそこの神崎灯代の兄貴だよ」
その人は以前運命的な出逢いを果たした桐生さんだった。

「兄さん……」
「「「えっ」」」

彩弓さんと鳩子と千冬ちゃんの意外な驚きの声が重なる。
「そしてなにより……」
そう言うと男が先程から手で弄んでいた指輪が宙に浮いた状態で静止し、その周囲約二十センチの空間が奇妙に歪み始めた。いや、あるいは周囲の光が屈折しているのか。

明らかに常人の成せることではない。
それの意味するところは……。

「やはりか……」

この状況で今の言葉が出てくるということは。

「そう。おれもお前達と同じ。……このふざけた戦いに囚われた者の一人だよ」

そう言って彼はかかっと不敵に嗤った。
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