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異能バトルは日常系のなかで 真伝《the origin》
第一部
第一章 裏返る日常
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なにお詫びがしたい」

そこでそうだとおれは閃き、灯代の頭をぽんぽんしてやった。

「は、ハア?? なにしてんの??」
「なにってお詫び。灯代は前、あたしも頭ぽんぽんされた〜いって独り言言ってたよな?」
「は、はあ? な、何言ってんだか! 言うわけ無いでしょ!」
「じゃ、嫌なのか?」
「べ、別に嫌ってわけでもないけど……」
「じゃいいじゃん」
そう言って灯代の頭をよしよししてやった。
少しの間、腕組みしながらあっ、とかちょっ、とか言いながらいいように撫でられてた。

ほう、これはかわいい。

「〜〜っ、もういいでしょ!」
と、もう少しやってもよかったのに引き剥がされてそっぽを向かれてしまった。

かわいかったからまたやろっと。

あれ、これお詫びになってるのかと思いながら、ふと周りを見渡すと三人がひそひそと小声で話していた。
それにおれのほう見てなんか悪口を言っているような……。
「なんの話ですか?」
話しかけると会話が途端に止み、三人ともしら〜っとした顔になった。

「もしかして鳩子もされたいのか?」
「え! 私はいいよ〜」
「そっか」
「……」

「千冬ちゃんは? なにかして欲しいことない?」
「ポンポン」
「おっけー」
少しの間、穏やかな空気が流れた。

「彩弓さん……」
「えー、この後のことですが」
「おれの質問スルー??」
「安藤くん、静かに願えますか?」
普段礼儀正しい彩弓さんが得体の知れない笑顔でおれを見た。
「すみませんでした」
ここは怖いので従っておこう。
「とまあ、冗談はここまでにしておいて」
クスッと笑った彩弓さんの顔つきが引き締まる。

「状況は極めて深刻です。今まさに敵に襲われる可能性もあります。かといって今回のことを警察に相談すべきかどうか」
今回ばかりは彩弓さんも頭を悩ませていた。
確かに証拠もない今の状態を警察に相談した所で相手にしてもらえるか分からない。
「今日はもう遅いので各自帰宅しましょう。なにかあった時ご両親といた方が安全かと思いますので。緊急時には各自に電話を。明日の部活中にどうするか決定したいと思います」
それまでに各々考えをまとめておいて下さい。
彩弓さんがそう締めくくりその日は解散となった。



解散の後おれは彩弓さんに手招きをされた。
そしておれにだけ聞こえるような小声で、
「どうしてあの場所で戦っていたのかは怪我に免じて今は聞きませんが、事が事です。明日聞かせてもらいますね」
と、ぼかしていたことを鋭く突かれ
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