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異能バトルは日常系のなかで 真伝《the origin》
第一部
第一章 裏返る日常
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襲撃のその後、安藤は気が抜けたのか敵が逃げた後に横になった。
あたし達は千冬ちゃんの無事を確認し、人目につかずに安藤の怪我を治すため、千冬ちゃんに電話しゲートで文芸部の部室に連れて行ってもらう事にした。

千冬ちゃんがスマホ買ってて本当に助かった。

事情を聞くと千冬ちゃんはすぐ飛んできた。いきなりゲートと呼ばれる黒い穴が開くこの現象は未だに慣れない。
「灯代。アンドーは?」
「来てくれてありがとうね。あっちで彩弓さんに治療してもらってる」

「……! アンドー……」

千冬ちゃんは安藤を見つけると少しの間固まり、その後状況を飲み込むかのようにゆっくりと近づいていった。

人伝てに聞くのと実際に目にするのは全くといっていい程違う。
あたしの年でさえ未だショックを隠せないのだから。
「……」
「千冬ちゃん……。ごめんね、こんな遅くに」
改めて見ると、やはりひどい。
左足の中心に見たことがない大痣と特に左腕が前腕の半ばで曲がっていて目を背けたくなる。
こんなに重傷を負った人を生で見るのは始めてでそのグロテスクな傷に殺し合いの残忍さが表れている気がした。

一旦治療を中断し千冬ちゃんのゲートでみんな部室に移動し、創姫でベッドを作って安藤をそこに寝かせた。

「アンドー……、ひどいけが……、さゆみ治せる?」

「……左前腕の完全骨折。左小指の皮下骨折。右足の脛骨にもひびが入っているかもしれません。そして全身に打撲と擦り傷。素人判断ですが、恐らく治ると思います……。が、時間は掛かるでしょう」

擦り傷とかちょっとした怪我ならあっという間に治せる始原でさえ短くない時間が掛かる。
それほど怪我の量と重傷度が高いということが察せられる。
小学生に生傷を見せるのは憚るものの、事態が事態だからどうしようもない。

安藤は限界が来たのかいつのまにか眠っていた。

普段表情の変わらない千冬ちゃんもこの時ばかりは困惑や怖さや心配などのせいか複雑な顔をしている。

彩弓さんはただただ真摯に治療に集中している。

そして鳩子は安藤に寄り添いながら声を上げて泣いていた。

「馬鹿安藤」
一人でかっこつけて無茶して。
色々言ってやりたい気分だったがさすがに今は寝かせておいてあげよう。
傷が少しずつ巻き戻るように治っていくさまをみんなで見守り続けた。


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目覚めるとみんなが心配そうに顔を覗き込んでいた。

「アンドー、けが、痛い?」

左腕を見ると何事も無かったかのよ
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