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異能バトルは日常系のなかで 真伝《the origin》
第一部
第一章 裏返る日常
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ジーな状況だった。
「どうした? フォクシー?」
フォクシーと呼ばれる小人は特徴的な丸眼鏡をクイッとして言った。
「砂川さん。今、山下さんから連絡が入ったんですが」
山崎さんが敗れたそうです。
フォクシーの報告を受けて砂川と呼ばれた不良は動揺を隠せずにいた。
「山崎がサシで負けた? 相手はそんなにつえーのか?」
フォクシーは電話をするかのように耳に手を当て小声で伝えた。
「山下さんの見た限りでは相手の男には難なく勝り、殺す直前にやってきた仲間の女に速攻でやられたと」
「女だと? 異能は?」
「水を生み出し操る異能で、大量の水で閉じ込められ溺死寸前まで追い込まれたものの、なぜか途中で止め山下さんの透明化でなんとか逃げたと」
「……」
机を叩く打撃音が響き、砂川は苛立ちを隠さず言った。
「チッ! 女ごときに山崎がやられるなんてよ。木村は山崎の異能は知ってるか?」
「い、一度簡単に手合わせをしたことが…。とても強かったです」
「うちでも一、二を争うプレーヤーだからな」
フォクシーは思案顔で懸念を口にした。
「女にやられたことが広まれば今後他のチームに標的にされる可能性が高いですね」
砂川は少しの間黙して決断をした。
「負けの噂が広まる前にそいつらを殺す。北高にケンカ売った奴がどうなったか思い知らせてやる」
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