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異能バトルは日常系のなかで 真伝《the origin》
第一部
第一章 裏返る日常
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そらくは戦いによる怪我と疲労と痛みででしょう。ただその怪我が……」
少し怖かったですが確認した後、怪我は酷いですが命に別条はないだろうとなりました。

「……安藤」
「……じゅーくん」
「ひとまずは、といった所でしょうね」


「この後のことですが」
私は意識して気を引き締めて言います。
「とりあえずすぐの敵襲は無さそうですが、安藤くんの治療が残っています。救急車を呼ぶと大変な事態が予想されるため、私が治療しますが、ここでは危険でしょう」

どうしたものでしょうか…。

「あ! それなら千冬ちゃんを呼んで部室に移動したらどうでしょう?」
「いい案ですが、連絡手段がありません。千冬さんのご自宅なら番号は分かりますが…」
時計を見るともう九時を回っています。
非常時とはいえ残念ながらこの時間にお子さんを連れ出すように言いくるめるのは困難でしょう。
誰かに事情を説明し助けを求めるべきでしょうか……。
どなたかのご家族かそれとも先生か。

私と鳩子さんが頭を悩ませた時。

「あたし、千冬ちゃんのケータイの番号持ってます!」


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工場からそう遠くない、北高と呼ばれる高校の部室には少し奇妙な面子が集まっていた。
部室といっても真っ当な部活動をするために着替えや準備などをする為の部屋ではもはやない。
机にはタバコに灰皿に麻雀、ロッカーにはエロ本、ゴミ箱には酒の空き缶まで捨ててある始末で、不良にいいように使われている。
部屋の奥のオフィスチェアに座る強面は年季の入った制服をひどく着崩しているいかにもな青年だが、この高校では珍しくはないといえる。
かわってロッカーの前のパイプイスに座る青年は、メガネにボサボサの長髪といかにも内気そうで一見パシリかと思ってしまうが、意外にも奥に座る不良は普通に接していた。
「毎度毎度そんなに固くなんなよ。なんか飲むか? なんならビールもあるぜ?」
「いえ、ぼ、ぼくは大丈夫です」
ウチの後輩で商店でバイトしてるやつがいてな。店に内緒で安く酒を流してもらってるんだよ。
不良によくあるワル自慢ともう一人の愛想笑いが流れるなか、一番奇妙な存在がなにやら一人でぼそぼそと喋っていた。
その人物の奇妙と呼べる点はオレンジのスーツややたら耳が長いなどいくつかあるが、一番おかしな点はそれのサイズだった。
あまりにも小さ過ぎる。
生まれたての赤ん坊よりも小さいが頭身は大人のそれで、振る舞いもビジネスマンを想起させる。
まさに絵本から小人が出てきたかのようなファンタ
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