暁 〜小説投稿サイト〜
異能バトルは日常系のなかで 真伝《the origin》
第一部
第一章 裏返る日常
1-1 裏返る日常
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携帯に一通のメールが届いた。
見てみるとそこには複数人の名前と、その人物の容姿やら個人情報やらが載っていた。
続けて携帯の電話が鳴った。
「次の相手ですか?」
男は古びたアパートのベランダにいた。
外装はすっかり剥げてボロボロで築年数もかなりの物に見え、リフォームよりも取り壊して新しいものを建てた方がよさそうだ。
「男子高校生一人に女子高生三人。小学生がいるんですか?」
「……」
「異能は不明で、今回はおれひとりと。了解しました」
くすんだ金髪に制服。不良の高校生と思しき男は案の定というべきか、タバコとライターを持って支度をする。
「兄ちゃん、またバイト?」
「ああ、行ってくる」
狭い部屋で特売チラシを見比べる中学生の妹に、強面の男は柔らかい微笑を浮かべる。
「帰るの遅くなるから先食って寝てていいぞ」
りょうかーい、と気楽な返事を背中に受けながら学ランに身を包み家を出た。
??????
いつものように文芸部で活動(決して駄弁っていただけではない)を終えた放課後。
綺麗な夕焼け色の空の下、文芸部は今日も仲良く全員で下校していた。
「しかし安藤くんには驚かされましたね。平均点の低い倫理で満点に近い点数を取るとは」
「あのケアレスミスが無ければ百点だったのにね〜」
「それな〜」
しかし大好きな倫理でいい点取れたのはやっぱり嬉しい。
内心ウキウキでいると灯代がグループの少し後ろでどんよりしているのが目に入った。
さっき数学で平均点以下を取ったことがみんなにバレたのがよほどキテいるらしい。
千冬ちゃんが灯代の話を聞いてあげていた。
「あたし数学いつも点数悪いから今回は頑張ったんだけどね、でも頑張ったからこそこの結果が辛いというか」
「千冬、灯代が部室でひとり勉強してたの知ってる。灯代は偉い。千冬ならすぐ止めちゃう。算数、まじむずい」
灯代にはできれば先輩として千冬ちゃんにアドバイスぐらいして欲しかったけど。
「そういえばじゅーくんは数学何点だったの?」
「今回は調子よくて八十点だったな」
瞬間、後ろの二人が驚愕の表情を浮かべた。
「うそ、うそよ、あのテストで安藤が八十点だなんて」
「千冬が負けた? アンドーに負けた?」
「どんだけバカだと思ってるんだ!」
ありえないとか、認めないとか酷い言われようだった。
あまりにも疑うので証拠のテスト用紙を見せた。
「なんらかの異能で偽装工作を行った。そういうことね?」
「算数のためにそこまで。アンドーすげー」
「どんだけクズだと思ってるんだ!
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