第三十九話「鳶一折紙」
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の問いにミルドレッドは目を丸くする。
「何言ってるですかオリガミ。明日のための準備に決まっているじゃないですか」
「明日?何の事?」
明日何か行動があるとは聞いていなかった。そんな折紙に「あれぇ?連絡ミスですかね?全く、リョウコは人に偉そうに言うくせに…」とミルドレッドは一人納得していた。
「教えて、明日何があるの?」
「はいはい、明日は…」
「ストップ。整備主任さン。そこからは秘匿事項ヨ」
今まさに作戦の内容を言おうとしていたミルドレッドの口は防がれ不発に終わる。そんな行動に折紙は口を塞いだ人物、DEM社からの出向社員ジェシカ・ベイリーを睨みつける。
「どういう事?」
「フフ、言った通りヨ。怖い顔しないデ。文句を言うなら上層部へどうゾ」
そう言うとジェシカはミルドレッドを連れその場を離れていく。折紙は眉を潜めつつ周りを見る。しかし、周辺の隊員や整備員は折紙と目が合うと慌てて作業に戻っていく。
居心地の悪い、まるでのけ者にされているかのような空気に折紙の機嫌は悪くなっていく。
とは言えそれを今の自分では知る事は出来ないだろうと思い作業に戻る。途中力を誤り部品を握り潰すと言う事もあったが無事に整備を終え着替えるためにロッカールームに向かう。今日の作業は終わったため今日はさっさと帰り明日の為に歌のおさらいをした方が有意義である。
そう思いロッカールームで着替えていると扉の開く音がした。折紙が視線だけそちらに向ければそこにいたのはASTの隊長である日下部燎子の姿があった。
「日下部一尉」
「…」
折紙の言葉に燎子は特に反応を示さない。どうやら隊長である燎子ですら自身と口をききたがらないらしい。それが分かった折紙は着替えを再開する。
しかし、突然燎子が言葉を上げた。
「あーあー、今日も一日、嫌な外人の相手疲れたわねー。もう愚痴らないとやってらんないわねー。丁度ロッカーには誰もいないみたいだし、独り言でも呟いちゃおうかなー」
何とも棒読みな声に折紙は眉を顰める。ロッカールームには燎子だけでなく折紙の姿がある。燎子がいる場所から折紙が見えないと言う事はないしそもそもロッカールームに入った時に折紙の姿が見えているはずであった。
折紙の思いに気付いていないのか、燎子は折紙に背を向け壁に向かって話し始める。
「…明日9月23日、15:00時、天宮スクエアに第三戦闘分隊が突入するわ。目的は精霊【プリンセス】の疑いがある少女、夜刀神十香の捕獲」
「…!」
燎子の独り言に折紙は声にならない驚きを上げる。確かに自分は十香と同じクラスであり親睦も深めている。それだけの理由で作戦に入れてもらえないのであろうか?
折紙の驚きを見
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