第五十七話 善徳寺の会盟その一
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第五十七話 善徳寺の会盟
晴信は山本に幸村そして十勇士達に兵達を引き連れてそのうえで駿河の善徳寺に向かっていた。その時にだった。
幸村は十勇士達から話を聞いたうえで晴信に話した。
「今川殿は既にです」
「寺に入られているか」
「そして我等をもてなすです」
「用意をされているか」
「そして北条殿も」
氏康の話もするのだった。
「順調にです」
「寺に向かわれているか」
「左様です、そしてお傍には」
氏康の、というのだ。
「幻庵殿がおられ」
「多くの兵もじゃな」
「風魔の者達もいます」
北条家の忍である彼等もというのだ。
「しかと」
「ではその棟梁の」
「風魔小太郎殿もです」
この者もというのだ。
「おられます」
「とてつもない大男と聞いておるが」
「実際に大柄です」
「やはりそうか」
「ただお鬚や牙は」
そうしたものはというのだ。
「これといってです」
「なかったか」
「それはどうもです」
「恐ろしく思わせる為のじゃな」
「流言かと」
「風魔の方が流したな」
「はい、それであるかとです」
こう晴信に話した。
「思っておりまするが」
「そうであろうな」
「お館様もそう思われますか」
「幾ら何でもじゃ」
それこそというのだ。
「その様な姿はな
「顔中髭だらけで牙があるなぞ」
「化けものではないか」
「だからですな」
「幾ら何でもじゃ」
「そこまではないですな」
「わしは最初から思っておった」
こう幸村に話した。
「それこそな」
「そうでありましたか」
「幾ら忍の者でも人じゃ」
このことは変わりないというのだ。
「誰もがな」
「そうであるからこそ」
「そうじゃ」
「だから風魔殿も」
「そうした外見でないと思っておったわ」
「左様でしたか」
「最初からな」
こう幸村に答えたのだった。
「思っておったわ」
「では」
「例え大柄でもな」
「それはそれ。ですか」
「そうじゃ」
その通りだというのだ。
「わしは思っておった」
「さすれば」
「うむ、風魔小太郎もな」
「流石にですな」
「化けものの様なな」
それこそというのだ。
「目立つ姿か」
「それはです」
幸村は晴信に答えた。
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