第六幕その四
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「そうよね」
「はい、何か」
「それがね」
まさにというのでした。
「この場所なのよ」
「そうなんですね」
「烏賊や蛸もだね」
船長もお話します。
「色々な色や模様で奇麗だね」
「熱帯魚みたいですね」
「貝も蟹もね」
「とても大きな宝石箱みたいです」
こうも言った恵梨香でした。
「ここは」
「そう、オズの国の海の宝石箱」
「実際にそう言われていますか」
「ここはね、主もいるしね」
「主っていいますと」
「そう、クラーケンがいるんだよ」
この生きものがというのです。
「それがね」
「クラーケンですか」
「恵梨香達も知ってるね」
「はい」
恵梨香はすぐに答えました。
「とても大きな蛸か烏賊の生きものですね」
「オズの国では両方いるんだ」
「蛸のクラーケンも烏賊のクラーケンもですか」
「それでここにいてね」
「ひょっとして二匹共ここにですか」
「そう、いるんだ」
「そうですか」
恵梨香も他の子達もでした、船長のお話を聞いてです。
そうして周りを見回しましたがそれらしき巨大な生きものは見当たらなくてそれでこう言ったのでした。
「今はいないわね」
「大きな蛸も烏賊もね」
「普通の蛸や烏賊はいるけれど」
「何メートル、何十メートル位になると」
「いないわね」
「いや、いるよ」
船長は五人に笑って答えました。
「今ここにね」
「えっ、何処にですか?」
「何処にでしょうか」
「一体何処に」
「見当たらないですが」
「それらしき生きものは」
「そことね」
船長は島の一つを指差いて、でした。もう一つも指差しました。ですがその二つの島のどちらもでした。
至って普通の何の変わりもない島です、それで恵梨香は船長に言いました。
「どの島も」
「普通に見えるね」
「はい」
そうだと答えるのでした。
「別に」
「それは仕方ないね、何しろクラーケンはね」
「ひょっとして」
「そう、大きいからね」
だからだというのです。
「島と変わりないんだよ」
「そういえば」
島の一つを見てです、恵梨香は気付きました。
「あの島ちょっと尖っていますね」
「わかったね」
「あの島は実は」
「クラーケンの頭なんだ」
「そうなんですね」
「そしてね」
さらに言うのでした。
「別の島もね」
「クラーケンの頭ですか」
「よく見ればわかるかな」
「あの山は」
本当によく観ればです。
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