第三十七話「準備」
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ル誘宵美九。そう簡単に勝てる相手じゃないわ。士道の学校は、一日目のステージで何をやるの?」
「え、えっと。確かバンド演奏だったと思う」
「へぇ、良かったじゃない。得意分野で」
「へ?一体どういう…」
瞬間、士道の目の前には最も見られたくない映像が映る。中学二年生、その時にハマっていたギターの演奏である。
「あ、ああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
こうして士道は自らの黒歴史をばらされつつもラタトスクのバックアップを受け天央祭に向けて特訓を開始するのであった。
「ヤン、名誉大佐殿より命令が来たぞ」
天宮市のとあるビル。鉄十字の会が日本における活動の拠点としているその場所でルーク・ヴァレンシュタインが封筒を持ちながらやっていた。
「おーおー、遂に俺たちに直々に命令が来るようになったのか。これって出世したってことでいいよなー?」
「違う。単純にここがそれだけ重要な場所と言う事だ。…ただ、そんな重要な場所を任されているのだ。そう捕えてもいいかもしれないな」
ルークはそう言いながら封筒の中身をヤンに見せる。封筒の中身は数枚の紙であり表面には『確認次第焼却するように』と書かれている。
「…へぇ、これは」
ヤンは内容を確認すると笑みを深める。その表情はまるで新しいおもちゃを手に入れた子供の様な表情をしていた。
「中身の通りだ。何時でも動けるように準備を怠るな。それとここも廃棄し拠点を別の場所に移す」
「はいよー。…所で兄ちゃん。あれの調子はどうだ?」
「きわめて好調、と言ったところだ。まさかあれほど適合するとは私も思わなかったよ。あれならいずれ大尉殿にも勝るとも劣らない駒になってくれるだろう」
「そうなりゃ真っ先にあの餓鬼にぶつけようぜ。あの餓鬼の絶望する顔を想像するだけでたまんねーぜ!」
「…それもこの作戦で彼が逃げ切れたらだ。私たちが動く以上或美島の様な失敗は許されない。良いな?」
「勿論だぜ、兄ちゃん」
ルークの言葉にヤンは笑みを浮かべて答えるのであった。
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