第三章【天央祭】
第三十五話「始まり」
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取り巻きの様な様相をしている。因みに彼女もコレクションに入っており自他ともに認める一番のお気に入りとの事である。
「それにしてもまさか天宮市にはまだあれほどの美少女が潜んでいたとは知りませんでした」
「それは…。美九があまり公に出ないからじゃないか?」
美九は基本的に学園と家以外では曲の収録くらいであまり外には出ない。視線に男が入るのが嫌との事でナンパの一件も彼女が出かけるから一緒について行っただけの事である。
「…そう言えば明日は天央祭の話し合いがあるんでしょ?そろそろ寝ないと間に合わないんじゃない?」
時計を見れば針は大小共に12を指しておりそろそろ寝なければいけない時間であった。
「なら今日も一緒に寝てもいいですよね?」
そう言いつつベッドから降りる気はない美九は明らかに戻る気はないと伺わせた。とは言えこれもいつも通りの為慣れてしまった彼女は手慣れた様子で電気を消し美九の隣に横になる。
すると美九は彼女の体を抱きしめる。
「えへへ」
美九は嬉しそうに彼女の胸に顔を埋める。そんな美九を彼女は抱きしめ返し頭を撫でる。
暫くすると美九の寝息が聞こえてくる。それを見た彼女も目を閉じ襲ってくる眠気に身を任せるのであった。
「…ふふふ、可愛らしい寝顔」
早朝、日が昇り始めた頃美九は隣に寝ている彼女の頭を膝の上に置き撫でながら愛おしげに見つめる。彼女の寝顔は起きている間のクールな表情とは違い幼げな顔で寝ていた。そんな彼女を見る美九は深夜の甘えた顔とは違い母性を感じさせるものだった。
「私は知っていますよ。貴方が精霊である事を。そして貴方が私では止めきれない大きな目標を抱えている事を」
美九は独り言のように呟く。
「いつの日かあなたは私の元を離れてしまうでしょう。ですが、それまでの間はせめて日常を謳歌してくださいね」
美九はそう言うとしばらくの間彼女の頭を撫で続けるのであった。
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