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蒼と紅の雷霆
蒼紅:第二十三話 侵略者
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もういいだろう、パンテーラ。あまり君を危険に曝したくはない。ミラーピースは回収出来た。ここは僕に任せて下がってくれないか?……君は少し休むべきだ…自分の心を押し殺してまで、良くやってくれた」

「……テンジアンお兄様…分かりました…後はお願いします…………ごめんなさい」

鏡による移動でこの場を去るパンテーラにソウとGVは複雑な表情を浮かべる。

「さて…ソウ…君の紅き雷霆の力をパンテーラが手ずからスパイまでして持ち帰った皇神の技術…宝剣に組み込んだ雷霆宝剣の力をオリジナルである君で試させてもらおう」

自力で氷を砕いたソウに刃の切っ先を向けるテンジアン。

「…雷霆宝剣…だと?」

「そうだ!!」

一瞬で距離を詰め、ソウに絶対零度の斬撃を繰り出すテンジアン。

「っ…!!」

「は、速い!?」

何とか回避出来たソウだが、GVは異常とも言える速度に驚愕する。

いくら宝剣で身体能力が強化されていたとしてもこれは異常だった。

「驚いているようだね、僕も最初にこれを使った時は驚きを隠せなかった。模造品とは言え、第七波動を高める宝剣に君の第七波動の紅き雷霆の能力因子を移植することでオリジナルの宝剣を大きく上回る力を得られた。」

「何だと…?」

それを聞いて反応したのはアキュラだった。

何故ならアキュラはヴァイスティーガー製作の際に紅き雷霆の力を利用しようとしたが、出来ずに蒼き雷霆で妥協したからだ。

「身体能力を紅き雷霆によって向上させ、残りの模造宝剣のリソースを第七波動の増幅に回すことで、オリジナルの宝剣を上回る性能を得ることが出来た。」

「馬鹿な、紅き雷霆は雷撃の能力だ。何故紅き雷霆の力を受けて平然としている。」

紅き雷霆の能力者であるソウは紅き雷霆の力は簡単に制御出来るものではないことを誰よりも知っている。

「僕達の同志には物質をデータ化出来る能力者もいる。つまり、僕達の肉体も同様のことが出来るという訳さ。彼の能力で一時データ化した僕達の肉体を改竄することで雷撃への高い耐性を得た。それによって擬似的に紅き雷霆による身体能力の強化の恩恵を得られている」

「ふん、どんな方法かと思えば化け物の力で強引に使っているだけか。化け物らしい野蛮な方法だ」

「紅き雷霆は第七波動だ。それを第七波動の力で扱えるようにして何がいけない?自分が扱えないからと言って見苦しい嫉妬は止めることだ。」

「何だと…!」

アキュラの吐き捨てるような言葉に呆れたように言い放つテンジアン。

「皇神ですら手に負えないとされていた紅き雷霆の力…まさかパンテーラの持ち帰ったフェザーの制服に付着していた血液でこれ程の恩恵を受けられるとはね…あのテセオがじゃじゃ馬と呼ぶ理由が分かると言
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