第二章
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距離ですよ」
「いや、何でもないで」
ナツァグドルジは二人に平気な顔と声で答えた。
「ここやと」
「千キロでもか」
「何でもないのですか」
「ほんまに馬で行くと」
それこそとだ、ナツァグドルジはやはり平気な顔だった。そして狼と鹿も彼の主と同じ顔であった。
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