蒼紅:第二十話 不穏
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驚いたのは記憶に新しい。
「紅き雷霆の力の現時点での利用は不可能だ。どれ程改良しようとそれを上回る出力で俺の限界を超えてくる」
まるでどれだけ足掻こうと自分にこの紅き雷霆を扱う力はないとソウに嘲笑われているような錯覚さえ覚えるのと同時に、これ程の力を扱うソウに対して脅威を感じた。
そこでアキュラは打倒ソウのためにメガンテレオンをベースにした機動力に特化した強化ジャケットであるヴァイスティーガーを開発した。
機動力を追求したことで防御力はメガンテレオンよりも下がってしまったが、それを補って余るくらいの機動力を得た。
圧倒的な出力を誇る紅き雷霆により蒼き雷霆以上の機動力を誇るソウを相手にするには防御力を高めても防ぐことが出来なければ無意味。
実際にソウとの二戦目ではメガンテレオンの機動力では全く対応出来ずに一方的な蹂躙をされてしまった。
ならば此方も機動力を高めるしかないのである。
最初は紅き雷霆の能力因子を存分に利用した動力を設計しようとしたアキュラだが、そこでいきなり最大の難関が立ち塞がる。
紅き雷霆の出力が強すぎるのだ。
皇神の研究員がソウを廃棄することになる理由と同じで、出力が強すぎて動力とジャケット自体が保たず、例え紅き雷霆の動力を搭載した強化ジャケットを開発出来たとしても人間の限界を軽く超える性能を叩き出すことが判明した。
もしこれを生身の人間が装備して最大速度で移動しようものなら人間の体など簡単に壊れるだろう。
バラバラになってもおかしくはない。
流石にいくら能力者討滅のために鍛えているアキュラでも無理と判断し、紅き雷霆の出力を大幅に下げて蒼き雷霆にまでランクダウンさせることでようやく現時点最高の強化ジャケットの開発が出来るまでに漕ぎ着けたのだ。
防御力ダウンに関してもソウとGVの電子結界・カゲロウを疑似再現したフェイクカゲロウである程度は補うことにも成功している。
「紅き雷霆・ソウ…奴だけは必ず俺の手で…!!」
新しい力で必ずソウを討滅するという誓いを立て、ノワに支えられながら食事に向かうのであった。
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