蒼紅:第二十話 不穏
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とある研究施設にて、紅白のアーマーの調整をしている少年がいた。
その少年の体には包帯が巻かれており、痛々しさを感じさせる。
その人物は皇神の宇宙ステーション・アメノウキハシでソウに返り討ちにされ、死の寸前まで追い詰められたアキュラであった。
ソウには完敗したものの、その技術は天才と称してもいいほどで世界で初めて第七波動を疑似的に無能力者でも使用出来る技術を独力で開発し、今は亡き父の意志を継いで第七波動能力者達を倒すことを目標としている。
「AB(アームドブルー)ドライブの出力は安定、機動力の向上とABドライブの欠点である耐久度による大量発電が出来ない点を補うブリッツの量産体制も完成している…機動力特化型ジャケット・ヴァイスティーガーの完成は間近だ…流石は能力者(化け物)最強である悪魔の第七波動…紅き雷霆と言ったところか…出力を蒼き雷霆にまで大幅に落とした状態でここまでとは…チッ、忌々しい」
アキュラにとってソウは討滅すべし能力者でもあり、それ以上に敗北と屈辱を与えられ、敬愛する父を侮辱した忌々しい能力者でもあった。
だが紅き雷霆の利用価値は目を見張るものであるのが更にアキュラの感情を増長させる。
どうやってかは分からないが、ソウの紅き雷霆の能力因子を回収し、ABドライブと言う半永久機関を造ったのだ。
「アキュラ様、そろそろご休憩に致しましょう。体の傷に響きます」
しかし、そんなアキュラに声がかかる。
「ノワか…そうだな、そろそろ休憩にしよう。能力者(化け物)を討滅するには装備よりも先に体を治さなくては話にもならん」
彼女の名はノワ。
アキュラの実家から派遣されてきた保護者兼お目付け役であるはずなのに何故かアキュラの復讐を助けてくれるのだ。
実はアメノウキハシでのソウとの戦闘に敗れて死の間際だったアキュラを救出し、軌道エレベーターに付着していたソウの血液を回収したのも彼女である。
「アキュラ様がそこまで根を詰めるのは、やはり紅き雷霆・ソウのことでしょうか?」
「俺は奴に無様に敗北した。父さんを侮辱されたにも関わらず一矢報いることすら出来ずに蹂躙された。」
一応グリードスナッチャーは当てることは出来たものの、あれはソウがアキュラを油断させるために敢えて受けたので一矢報いたとは言えない。
ノワ曰く、後少しでも治療が遅れていれば手遅れだったかもしれないと言わせる程に痛め付けられた。
「おぞましく、そして恐ろしい力だった。普通の能力者なら必殺の武器となるはずのグリードスナッチャーすら物ともしない…正に正真正銘の悪魔だ…だからこそ…奴にそこまでの深手を負わせる程の怪物がいたことにも驚いている」
意識を取り戻したアキュラがソウの血液をノワから提供された時、心底
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