第六話 提案
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》止めた。
?────巫女の再起など関係ない。
いづなの意志など関係ない。
もはや足?くことさえ許さない圧倒的暴力の行使。
抵抗の意志まで根こそぎ奪い去って?────グシは、平然と話を始めた。
「お前ら?────あのコマが何なのか、知ってるか?」
「……何が言いてえ、です」
気楽に言葉を紡ぐグシに、いづなが警戒心剥き出しで問う。
その目は未だに勝利を諦めておらず、未だに自分の取れる最善手を模索していた。
しかし、そんないづなの威嚇にもまるで動じず、グシはなおも無警戒に言葉を続ける。
「言葉通りだぞ?ま、巫女さんは薄々察してたみたいだが?────あれは唯一神のコマなのよ」
ピクッ、とほんの僅かに動揺を露わにしたいづなに、グシはさらに語る。
「で、十六個集めりゃ唯一神様のお出ましって訳。どこぞのドラゴンボ〇ルより九個も多い鬼畜仕様だが」
「それなら、なんでいづなに話した、です?とっとと撃ちゃ終わりだろ、です」
「いやまあ、そうするのが一番手っ取り早いけどさ?────いづなちゃんは遊びたくねえの?」
その問いに、さらにいづなは動揺する。
グシの言わんとすることを測りかね、懊悩する。
そんないづなを尻目に、グシは巫女にも言葉を投げかけた。
「巫女さんも巫女さんだ。最初から俺を敵としか見てねえんだからな」
「…一度東部連合乗っ取った奴を敵視せんでどないな目で見ろ言うんや?」
巫女の正論にも、グシは耳を貸さない。
「お前は『 』から『共闘』っつー選択肢を学ばなかったのか?かつて見下し切ってたハゲザルが、今や連邦の対等かつ有力な仲間になってるってのに」
「……」
「俺の方にはその意思があるぞ。お前らはどうなんだ?」
グシは不敵に笑って、問いかけた。同時、巫女といづなが体の自由を取り戻す。
「一緒に遊びてえなら、そう言え。そうじゃないってんなら?────まあ、撃てばいい」
そう、突拍子もない発言をして、グシは二人の答えを待った。
?────本来なら疑うべき言葉だ。しかし、グシにはブラフを吐く理由がない。なにせ、獣人種と同じ『血壊』の力を運用し、さらに謎の魔法でいのを沈め、先刻に至っては完全に二人の動きを封じきって見せたのだから。
無論、それが理解できないほど巫女もいづなも馬鹿ではない。故にどう答えるべきか、銃は降ろさずに悩む。
?────だが、やがて二人はグシの言葉を思い出して、笑った。
『俺の方にはその意思がある』?────そう言い切ったグシに一切?の反応がなかった事を。つまり、グシの言いたいことは至極単純?────
『一緒に遊ぼうぜ?唯一神に挑むチャンスだ、逃す手はないだろ?』
たった、それだけの話だった。
「おめー、バカです。
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