第六話 提案
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そ《・》、巫女は諦観したのだ。
「悪いが、チーターごときを相手に為す術も無いようじゃ?────『 』に笑われるからな」
グシはそんな巫女の姿を無感動に見下ろし、さらりとそう言ってのける。
魔法封じを破られてなお勝つ算段があった巫女の、その策略さえ破った?────そこまでの異常を為していながら、誇る様子さえない。
まるで、勝つのは当然であると言わんばかりに。
まるで、このゲームは前哨戦でしかないのだと言わんばかりに。
それほどまでに揺るがない、勝利への確信。故に?────無感動。
「だから?────俺はアンタには負けねぇよ」
そして、確定事項を確認するように気軽に、銃の引き金を引き?────弾丸を吐き出した。
迫りくる弾丸。しかし、もはや足掻く気すら無くなった巫女は、静かに目を伏せるだけだった?────
だが。
「まだ終わってねぇ、です!!」
突如、物陰から飛び出したいづなが、自らの袂を盾にそれを防いだ。
「……いづな?」
「巫女様、なに諦めてやがる、ですっ!まだ、終わってねぇ、です?────!」
届かなかった弾丸に、代わりに届いた叱責に、巫女は目を丸くする。
そして、自分も随分と老いてしまったものだと苦笑した。
かつて夢物語でしかなかった獣人種の統一を志したあの頃とは違い、物分かりがよくなってしまった。「グシには敵わない」と?────諦めを覚えてしまった。
そのような道理を「関係ない」の一言で捻じ伏せる?────かつて出来ていたそれを、忘れてしまった。
今この場でいづながやって見せたそれが?────巫女には出来なかった。
「童にまさか叱られるなんてなぁ?────あてももう、歳なんか?」
そう、賢くなってしまった者は呟く。
つい最近も、同じようなことを考えた気がする。
そして?────恐らくその答えも、既に分かっているのだろう。
「せやけど、童が諦めとらんのに、あてが諦めるわけにもいかんよってな」
巫女は、もう一度立った。もう一度、足?いてみようではないか?────そう心の中で唱えて。
再び赤く染まる巫女。気炎を吐いて突進する彼女に、グシは。
「あ、ストップ。言い忘れてたことがあった」
本当に気の抜ける声で?────問答無用に巫女達の動き|を《・
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