第三章
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「そやけどそっちはな」
「魄はか」
「今の身体が滅ぶとその時の怨みや苦しみ、他の感情もな」
それもというのだ。
「抱いてな」
「滅びるか」
「そしてその怨みとかがな、アンデットにもなる」
「アンデットか」
「そして今言うたがその墓地は」
「疫病でどうしようもなくか」
「捨てられて一旦死んだ人の死体も置かれてた」
そうだったというのだ。
「それでや」
「鐘達はそこに向かってる」
「そうもな」
「思うか」
「自分としてはな」
こうラザワウナリスンに話した。
「どうもな、そしてこの教会は」
「今度はここのことか」
「そや、この教会は元々その疫病の怨みを慰める」
「その為に建てられた教会か」
「そや、そこまで考えると」
梁は真剣な顔で話した。
「わかるな」
「ああ、それはな」
「墓地で何か起ころうとしてるな」
「それを鎮めようとしてるな」
「鐘が」
「それでそっちに動いてるな」
「ほな」
それならとだ、梁はラザワウナスリンに言った。
「もうすぐにな」
「動くか」
「そうしてな」
そのうえでと言うのだった。
「この話終わらせるか」
「そうするか、しかし」
「しかし?」
「鐘が動く理由はわかっても」
それでもとだ、梁は考える顔になって述べた。
「鐘が動くこと自体がな」
「この世界でも何もなくてあることやないわ」
「そや、それでな」
だからだというのだ。
「ここはな」
「鐘自体もやな」
「ちょっと神父さんに聞いてみるか」
「具体的にどんな鐘か」
「そうしてみよか」
二人でこう話してだった、そのうえで神父のところに行って鐘が動く理由についての彼等の見解を話してだった。
そうして鐘のことを聞くと神父は二人にすぐにその鐘のことを話した。
「そのことですが実は」
「知ってるか」
「ある職人の夫婦が造ってくれたものです」
「街に疫病が流行った時にやな」
「墓地に捨てられてそこで死んだ人達の魄の怨みを鎮める」
「その願いで造ったか」
「はい、そして」
神父は梁にさらに話した、梁の隣にはラザワウナスリンがいて話した。
「お二人は死んでも鐘に心を込めて」
「怨みを鎮めようってか」
「言われたそうです」
「ほなあの鐘達には二人の魂が宿ってるか」
「そうかも知れません」
「そうか、ほなな」
それならとだ、梁は理解した顔で頷いた。そのうえで神父に話した。
「疫病で死んだ人達の魄がある墓地の異変を察して」
「離れたこの教会で鎮魂の鐘を鳴らすだけではと思い」
「実際にかいな」
「動かれているのでは」
「そうやっていうんやな」
「私の考えでは」
「そうか、ほな墓地であることは」
どういったものかとだ、梁は真剣な顔になって述べた
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ