第五章
[8]前話
そうして乾杯の後で飲んで食べて楽しんでいるとだった。
ラザワウナリスンの手にあるものが宿った、そして彼の心に言葉が語り掛けてきた。彼は梁にその言葉をそのまま話した。
「これはプロメテウスの火や」
「自分の新しい神具やな」
「何千度、白い炎にもなって」
そこまでの高温になってというのだ。
「鍛冶にも戦闘にも伝える」
「そうした神具やな」
「かなりのな」
「それでな」
ラザワウナリスンの心には言葉がさらに語り掛けてきた、それで梁にその言葉をさらに話したのだった。ヘナリチャを食べながら。
「わし自身もな」
「どうなった」
「神託を適えたからな」
それでというのだ。
「全体的に一回り強うなったわ」
「それはよかったな」
梁はモサキーキを食べつつラザワウナリスンに応えた。
「ほんまに」
「実際に思うわ、それでな」
「ああ、これからやな」
「わし等は星のモンや」
それでと言うのだった。
「この世界を救うのが務めや」
「それでやな」
「これからな」
ワインを飲みつつ言うのだった、ワインにしては珍しい灰色のそれを。
「どうするか」
「それやな」
「もう次に行く場所は決まってる」
「それでやな」
「その場所にな」
そこにというのだ。
「行こうな」
「そうなるな、やっぱり」
「ああ、神託を適えてもな」
それでもというのだ。
「これで終わりやないわ」
「まだあるな」
「そやから次の場所にな」
「行くな」
「そうしよな」
ラザワウナリスンは明るい笑顔で話した、そうしてだった。
次に行く場所目に見えていないがそこを見ていた、神託を適えてももう次に進むべき場所に心を向けていたのだった。
食べたものの行き先 完
2019・9・19
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