五話 その日の始まり
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どうせすぐ出るんだろ?先に準備して転移門にいってるぜ」
「――え?」
同行を前提としたその台詞を予期していなかったらしくトールが少年の顔を見上げる。アルバはその視線こそが予想外だと言わんばかりに顔をしかめ、次いでにやりと笑って見せながら言葉を継いだ。
「一人より三人でやったほうが早く片付くだろ?それと――レアな鉱石が掘れたら譲ってくれよな」
そうして足取りも軽やかに店を出て行くアルバの背中を呆然と見送るトールに、ドリンクを嗜んでいたシュウもカップを置き事も無げに声をかける。
「そういうわけだ、面倒事だからって遠慮するな。パーティメンバーなんだ、それぐらい付き合うさ」
自身の益にもならないようなことを手伝わせまいと一人で鉱石採取を済ませるつもりだったのだろう少年は、そんな仲間の行動に感極まったように目をふせると、ぽつりと、その場では一言だけ口にした。
「……ありがとうな」
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