蒼紅:第十八話 蒼き雷霆(アームドブルー)
[7/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「…流石だ…ガンヴォルト…その力…お前こそ…新たなる世界のリーダーに相応しい…」
「…そんなものになるつもりはない…僕は…今の僕の家族を守ろうとしただけだ」
「ああ…そうだろう…な……だが…能力者の台頭は…もは…や…止めら…れん…お前達も…その流れに…抗うにしろ…乗るにしろ…いずれ……逃れられぬ戦いに…巻き込まれていく…ことに…なる…だ…ろう…」
「………」
「お別れ…だ……能力者の…未来は…お前達…兄弟に……託す…グッドラック…」
それだけ言うとアシモフは全く動かなくなった。
「…死んだか……あいつには…一度も勝てなかった…勝手に暴走して…勝手に…」
複雑そうな表情を浮かべるソウに、テーラも複雑そうに見上げた。
口や態度では素っ気なくしていても、ソウなりにアシモフのことを慕っていたのかもしれない。
「GV…」
「シアン……」
シアンが声をかけてきた。
この戦いで傷付いたGVに残った大切な家族…。
「……」
皇神を倒し、親代わりでもあったアシモフをも倒したGVは心身共に疲弊していた。
シアンはそんなGVにかける言葉が見つからず、軌道エレベーターはそのまま下降し、地上に帰還した。
「GV!!ソウ!!って…お前ら…それ…」
「そ…そんな……」
帰りを待っていたジーノとモニカが見たのは心身共に疲弊したGVと、重傷を負い、シアンとテーラに支えられたソウと…。
「アシモフ…!?まさか…死ん…で…?」
「…………」
GVは応えようとせず、ソウもシアンもテーラも閉口して何も言おうとしない。
モニカはそれを無言の肯定と受け取った。
「…嫌っ!!そんなっ…そんな……アシモフ……」
ぼろぼろと涙を浮かべ、モニカはその場に力なくくずおれる。
GV達は、仲間達に振り返ることもなく軌道エレベーターの外へ去っていく。
「お…おい、GV?何だよ!何があったってんだ!?アシモフはどうして…!? 何でソウもそんな怪我をしてんだよ!?」
「止め…」
『GV達に触れないで…!!』
事情を聞こうとするジーノを止めようとシアンが言い切るよりも先にモルフォがGV達を護るように不可視の力でジーノを弾いた。
夜が明ける。
蒼き雷霆・ガンヴォルト…紅き雷霆・ソウ…長い夜が明け、ようやく訪れた朝に彼らは何を思うのだろうか?
シアンは、優しくGVに声をかけた。
「大丈夫だよ、GV…私達はずっと…ずっと…GVの味方だから…GVに行きたいところがあるなら、私も一緒に行く…GVはどこに行きたい?」
「…僕は…………」
GVが何かを呟いたようだったが、ジーノはそれを聴き取ることは出来なかった。
遠ざか
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ