蒼紅:第十八話 蒼き雷霆(アームドブルー)
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グを失ってしまったようだ」
「兄さんも人間だ!!兄さんの在り方は昔から変わっていない…無能力者は今でも嫌っているけど、大切な人を守るためなら命を懸けることが出来る人だ!!…お前は僕達の理解者を気取るけど……僕達のことを何も理解してないじゃないか…!!お前は…身勝手な理由で兄さん達を殺そうとした…それだけは…絶対に許さない!迸れ!蒼き雷霆よ!僕の…僕達の怒りを受け取れぇっ!アシモフっ!!」
「…やはり、敵対を止めぬか…兄弟揃ってナンセンスだよ!GV!!」
「GV…頑張って…!!」
シアンはGVの勝利を願うものの、やはりアシモフとの地力の差があるのか徐々にGVは押されていた。
「………このままでは…シアン…歌って下さい…」
「え?」
このままではソウは助からないし、GVもアシモフに敗北してしまう。
ならばシアンの歌…電子の謡精の力でソウとGVの第七波動を高めればと思ったのだ。
「でも…私じゃ…」
「第七波動は意思の力です。あなたが2人を助けたいと強く願えば第七波動は必ず応えてくれます」
「………分かった…」
GVとソウを、自分を助けてくれた人達を助けるために初めてモルフォに頼らずに第七波動の行使をする。
“輪廻”の歌が響き渡り、電子の謡精の精神感応能力によって、GVとソウの第七波動の力を高めていく。
「これは…シアンの…力…?」
「っ…」
「ソウ、落ち着いて…少しずつ体の傷を癒して下さい」
急激な力の高まりに意識を取り戻したソウに第七波動で体の傷を癒すように促す。
「ああ…」
「チィ…させん!!」
雷撃鱗を展開しながらシアン達に突っ込むアシモフ。
歌を妨害しようと言うのだろうが、それをさせてやるほどGVは愚かではない。
「させるか!!」
雷撃鱗を展開してアシモフの雷撃鱗を受けると、アシモフがオーバーヒートを起こし、カゲロウが発動不可になる。
その隙に避雷針を撃ち込んで雷撃を流し込む。
「ぬうう!!」
流石のアシモフもオーバーヒート状態では攻撃を防げないようだ。
何とか立ち直ったアシモフはジャンプで位置を変えると、再び避雷針を撃ってきた。
「バニッシュだ!!」
「(この弾道の軌道は…オロチか!!)」
GVも使用する多人数との戦闘に特化したカートリッジ。
軌道を見切って、回避する。
「ターゲット…チェイサー!!」
今度は使用者の意思で弾道の軌道が変わるカートリッジ・ミズチだ。
しかもGVとは違い、技量の差なのか複数のマーカーを展開すると言う凄まじさだ。
アシモフの雷撃はGVの物と違って暴走状態のためか、避雷針1発でGVが避雷針3発撃ち込んだ分の威力だ。
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